W杯総合制覇の小林陵侑が帰国 来季は船木、レジェンド超え&世界最長記録更新だ

スポーツ報知
総合優勝のトロフィーを掲げる小林陵侑

 スキージャンプで日本男子初となるW杯個人総合優勝を果たした小林陵侑(土屋ホーム)が26日、羽田空港に凱旋した。地球儀をかたどったクリスタルトロフィーを抱きかかえ「最初から最後までトップでやれると思わなかった。トップレベルで戦い続けて、改めてスポーツは簡単ではない。支えてくれる人がたくさんいることを思い知った」と周囲のサポートに感謝を忘れなかった。

 1シーズンで通算13勝。来季は日本男子歴代2位の船木和喜(通算15勝)、さらに師匠の葛西紀明が持つ通算17勝の日本最多記録が十分に視界に入る。記録更新を続ければ、04―05年のヤンネ・アホネン(フィンランド)以来となる総合連覇も近づく。「(今季のように)ここまで調子を維持できた選手はいないと思う。簡単なことではないけど、もちろん目指します」と拳を握った。

 今季を「100点中、90点はあげていい」と自己採点する。残りの10点の心残りは、V候補本命ながら無冠に終わった世界選手権(2~3月、オーストリア)。シーズンを通した強さは発揮したが、一発勝負で輝きを放てなかった。「そこ(世界選手権)で調子を上げられる選手が、数人いた。やっぱりすごいなと思いますね」。師匠の葛西も「調整と規律ですね。朝起きて走ったり、イメージトレーニングをしたり、強くなってもそういうところはしっかりして欲しい。ここから維持するのが難しいので、監督としてサポートしたい」と背中を押した。

 もう1つ、来季の目標に掲げるのが、S・クラフト(オーストリア)の持つ世界最長記録253・5メートルの更新だ。陵侑はW杯最終戦のプラニツァ大会で、252メートルの日本最長記録を樹立。「やっぱり、世界記録超えですかね。条件も調子もかみ合わないと出ないものなので」。努力に加えて運も必要なだけに難しいが、逆にやる気をくすぐられる記録でもある。

 今後は5月の宮古島合宿から再始動する予定。「少しゆっくりしたいですね。(来季は)体もまた変わると思う。自分の感覚もブレるし、変わった体でどうやって飛ぶかまた夏からやっていきたい」。しばしの休息を経て、総合2連覇への再挑戦が始まる。

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