栃ノ心、大谷流で体調ケア 電気治療器導入し新大関へ万全

スポーツ報知
笑顔で記者会見を行う、大関昇進を確定させた栃ノ心(カメラ・清水 武)

 大相撲で大関昇進が確実となっている関脇・栃ノ心(30)=春日野=が、米大リーグ・エンゼルスの大谷翔平投手(23)も使用する酒井医療の小型ハイボルテージ電気刺激治療器「フィジオアクティブHV」の導入を検討していることが28日、分かった。夏場所は右肩痛などに苦しみながら13勝。責任ある地位でも結果を残すべく、コンディション維持の充実を図る。

 新大関確実の栃ノ心が“大谷流”を取り入れてさらなる進化を遂げる。3月に右肩を痛め、夏場所13日目には右手首付近も強打。「痛みはあるけど大丈夫」と気丈に繰り返し、満身創痍(そうい)ながら昇進目安(10勝)を上回る13勝を挙げた。

 三役経験後に右膝の大けがで幕下転落も経験した苦労人。名古屋場所(7月8日初日・ドルフィンズアリーナ)から新たに支えるのが、小型電気刺激治療器「フィジオアクティブHV」だ。大谷も米国に携帯してコンディション維持に活用中。患部の痛みの軽減や、筋肉の張りを緩和して最大限の力を発揮するという。メーカー担当者によると、既に約50万円する同機器の個人購入を打診済みだ。

 きっかけは「右肩が痛くて夜中に目が覚める」と悩んでいた4月の春巡業。支度部屋で「フィジオ―」を使用していた元大関の幕内・琴奨菊(佐渡ケ嶽)に、すがる思いで借りた。「おー、いいなあ。すごくいい」と一目ぼれ。即座にメーカー名をメモ書きした。

 力士として脂の乗った時期とはいえ、10月で31歳になる。新入幕から所要60場所での昇進は2代目・増位山と並び史上最も遅い。夏場所からはほぼ毎日、約1時間半のマッサージを受けてきた。入念な体調管理が今後の活躍を大きく左右する。

 千秋楽から一夜明けたこの日は、東京・墨田区の春日野部屋で会見。30日に大関昇進の可否を審議する臨時理事会が開催され、認められると協会から使者が部屋に派遣されて昇進伝達式が行われる。「少し疲れましたが、うれしい。これからもっと頑張らないといけない」。競技の枠を超えた“援軍”を得て、怪力に磨きをかけていく。

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