稀勢の里、3日連続出稽古 千代の国と申し合い11番

スポーツ報知
稀勢の里(右)は千代の国の突っ張りをこらえる

 7場所連続休場中の横綱・稀勢の里(32)=田子ノ浦=が4日、異例の3日連続出稽古を敢行した。この日は名古屋市東区の九重部屋へ出向いた。夏場所で12勝を挙げて前頭2枚目に躍進した千代の国(九重)を指名し、11番取って8勝3敗だった。

 最後は6連勝と体力勝ちしたが、序盤は2勝3敗。はたき込み、上手投げと格下相手に2度も土俵に転がされるなど、厳しい現実を突きつけられた。前日3日に師匠の田子ノ浦親方(元幕内・隆の鶴)は、「強い力士とやらないと。場所に出れば当たるので」と幕内上位と胸を合わせる必要性を説いていたが、内容的には“合格点”はほど遠かった。

 この日、九重部屋で稽古を取材した相撲解説者の舞の海秀平氏は、「最初の一番にはたかれたのが、今の相撲勘を表している。5番、10番取って本土表に上がるわけではない。最初の一番は足も出てないし相撲勘も完全に戻っていない。先場所と変わらない」と厳しかった。一方で「目いっぱい力を(稽古場で)出す力士とやるのは良い。忖度(そんたく)する力士ではなくて。数日前より力強さ、重さがある」と状態が上向いていることは認めた。

 その上で「もう少し時間があればいけそうな気がする。7月(名古屋場所)に出たら(現役が)終わるかもしれない。待って9月(秋場所)に出ればこれから先も横綱としてやっていけるかもしれない。本人が一番よく知っている。早まってほしくない」と遠回しに休場を勧めた。

 2日は同じ九重部屋で偶然遭遇した横綱・白鵬(宮城野)と激しい内容を10番。「目が覚めた気がする」と翌3日は初めて宮城野部屋に出向き、相撲こそ取らなかったがぶつかり稽古で白鵬に胸を借りた。ライバルに触発される形で復活の糸口を探っていたが事態は好転せず。手応えを聞く質問に帰り際には「うんうん」と稀勢の里はうなずくだけだった。

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