希善龍、9度目の十両復帰白星発進「落ち着いてとれた」

スポーツ報知

◆大相撲名古屋場所初日 ○希善龍(押し出し)翔猿●(8日・ドルフィンズアリーナ)

 史上最多の9度目の十両昇進を果たした希善龍(33)=木瀬=が、翔猿(とびざる、26)=追手風=を押し出して白星発進を決めた。「落ち着いてとれた。前に出られて良かった。上手にこだわり過ぎたけど流れで(上手を)とるのが理想。前傾姿勢の取り口なら(負傷した)膝に負担もかからない」と慎重な姿勢でつかんだ1勝を強調していた。

 今回の十両復帰で須磨ノ富士を抜き単独最多の9度目の昇進。過去8度はすべて負け越し。昨年秋場所は5勝1敗から肩、左膝を負傷して6勝6敗3休という苦難も味わっていた。この事実を「ふがいなさの方が大きい。気持ちの弱さが出ているかな」と分析。周囲も「厳しい言葉と、いい言葉をかけられている。それだけ期待してくれているということだと思います」と叱咤激励(しったげきれい)を前向きにとらえる強さがはい上がる強さにつながっている。

 毎日、祖母に電話で報告するのが日課だが、「(勝てないと弱気な)『気持ちが顔に出ていたよ』と言われるんです」と助言も飛ぶという。それでも「勝ち越しよりは幕内を目指しています。それを目指す1つのステップが勝ち越しです」と力説。部屋宿舎近くにあるウナギ屋には今年は足を運んでいない。「まだいっていません。勝ち越したらお祝いに付け人と行きたいから」ととってある。今場所は、今場所こその思いで33歳が土俵に上がる。

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