御嶽海、三役初10勝 優勝なら秋場所大関取り

スポーツ報知
J2京都・闘莉王(右)の激励を受けた御嶽海

◆大相撲名古屋場所10日目(17日・ドルフィンズアリーナ)

 関脇・御嶽海が前頭4枚目・輝を寄り切り、三役10場所目で初の2ケタ勝利を無傷の10連勝で達成した。10日目を終えて関脇の全勝での単独トップは2005年秋場所の琴欧州(当時。後の琴欧洲、現鳴戸親方)以来。前頭13枚目・朝乃山が敗れて2差に開き初優勝に前進した。このまま白星を積み重ねれば秋場所(9月9日初日・両国国技館)は大関取りになる。2敗は朝乃山と前頭13枚目・栃煌山。大関・高安、前頭6枚目・遠藤は3敗に後退した。

 御嶽海が壁を破った。輝の左からのおっつけに上体を浮かされかけたが、そこから大逆襲に転じた。初顔合わせの下位に「意地もあるし、力の差を見せつけたかった」。強引に懐を差すと迷わず踏み込んで一気に寄り切った。大関取りに近づく自身初の三役2ケタ勝利も達成し、じっくりかみしめるように「めっちゃうれしいですよ」と喜んだ。

 1敗が消え、長野県勢の初優勝と“昇進率92%”にジリジリと近づいている。関脇で優勝した24人中23人が後に横綱、大関に昇進している。大関昇進の目安は三役での直近3場所で33勝。御嶽海は先場所が9勝のため、優勝以外でも12、13勝と重ねれば秋場所は大関取りになる。八角理事長(元横綱・北勝海)も「来場所は大関との声も出てくるかもしれないので一番でも多く勝つことだ」と期待した。

 猛暑の場所ではメロンや桃など水分と糖分の高い果物で好調をキープ。「疲れてるけど食欲があるからね」。この日の朝稽古は、いつもの10分から20分に倍増。「一番稽古しない人がやってるんで」と意欲が出た。

 優勝49回で歴代2位の名門・出羽海部屋に1980年初場所の横綱・三重ノ海以来38年ぶりの賜杯が見えてきた。今後は両大関を含め難敵が待ち受ける。11日目は過去4戦全て寄り切りで負けている魁聖。「苦手な相手だから。あしたからクールダウンかな。(自分が負けることで)面白くしましょうよ」と冗談が出るほどだ。「余裕を持って相撲を取れている。関脇ですから」。実りの秋へ、実りある真夏の土俵にする。(小河原 俊哉)

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