御嶽海、初日から11連勝…38年ぶり優勝へ出羽海部屋も準備進む

スポーツ報知
11連勝を飾り、懸賞金を握りしめる御嶽海(カメラ・能登谷 博明)

 関脇・御嶽海が前頭4枚目・魁聖を押し出して初日からの連勝を11に伸ばした。過去4戦未勝利だった難敵を下し、6日続けて単独トップを死守。最短で13日目にも初優勝が決まる状況に師匠の出羽海親方(元幕内・小城ノ花)もお祝いの準備を示唆した。3敗で追う大関・豪栄道は7度目のカド番を脱出。前頭13枚目の栃煌山と朝乃山はともに2敗を守り御嶽海を2差で追走する。大関・高安は4敗目。

 苦手を前にしても御嶽海は冷静だった。一度も勝っていない魁聖攻略のために賭けに出た。立ち合いでやや左にずれて左をねじ込んだ。巻き替えを許して左腕はバンザイの体勢にも先手を取った勢いは逃さない。休まず前に出て204キロを土俵外へ追いやった。「大きいと思います。(相手の)体も大きいからね。そういう意味でも良かったですよ」。三役で初めて2ケタ勝利を挙げた前日に続き、また一つ難関を突破した。

 ロシアW杯ではアルゼンチン、ブラジルを応援していた“南米系”。この日倒した魁聖もブラジル出身だが朝稽古後、「好きだけど嫌い。負けると嫌になるじゃん。かわいい顔して重たいんだよ」と話していたが、影響は感じさせなかった。

 3横綱1大関が離脱した名古屋で賜杯を抱く可能性が日に日に大きくなってきた。本人は「まるっきりなし! 普通」と認めないが、過去のデータは初Vを後押しする。11日目終了時での2差逆転優勝は、15日制が定着した1949年夏場所以降で10例。ただ初代栃東が優勝した72年初場所以外は全て横綱が出場しており、番付最高位との対戦がない今場所は逆転を許す要素が少ないことは事実だ。

 最短で13日目に優勝が決まる絶好機に慎重な出羽海親方も、「優勝の準備? 経験ある親方とか、いろいろ準備の仕方を聞いてみたいね」と38年ぶりに部屋に届くかもしれない吉報に思いを巡らせた。12日目の大関・高安に勝てば一気にリーチ。「しっかり勝たないといけない」と御嶽海は覚悟を決めて引き揚げた。(網野 大一郎)

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