“背水”稀勢の里、初巡業1番スタート…白鵬との秋場所前稽古に意欲

スポーツ報知
四股で汗を流す稀勢の里

 大相撲の夏巡業が29日、岐阜・大垣市で始まった。年6場所制となった1958年以降の横綱でワーストとなる8場所連続休場から復活を期す稀勢の里(32)=田子ノ浦=も初日から姿を見せた。

 公の場は名古屋場所の全休を決断した5日以来。朝稽古は四股や痛めていた左大胸筋付近の筋力トレーニングなどに終始し、土俵に上がったのは横綱・鶴竜(井筒)との取組だけ。得意の左四つから力強く寄り切り、3200人の観衆からこの日一番の大拍手を浴びた。初日は取材対応せず無言を貫いた。復活への気合の裏返しだった。

 名古屋場所前は横綱・白鵬(宮城野)との三番稽古などで出場を模索していたが、患部の状態が上向かなかった。既に次の出場場所に進退を懸けると明言しており、秋場所(9月9日初日・両国国技館)へ気持ちを切り替えた。この日の稽古後、風呂場で一緒になった白鵬から「(秋場所前に)また(稽古を)やろうか」と問いかけられ「お願いします」と応じた。

 23日の横綱審議委員会は和製横綱に「激励」などの決議をせず、背水の土俵を見守る意向。巡業初日の最後は、ちびっ子ファンに手を振って会場を後にした。わずかだが表情も緩んだ。真夏の巡業は8月26日まで続く長丁場。周囲の期待を自らの力に変え、完全復活できるか。(小沼 春彦)

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