【尾車親方の目】稀勢の里は右の使い方に工夫必要

スポーツ報知
豪栄道(右)に突き落とされた稀勢の里(カメラ・能登谷 博明)

◆大相撲秋場所千秋楽 ○豪栄道(突き落とし)稀勢の里●(23日・両国国技館)

 稀勢の里にとっては9場所ぶりの15日間の戦い。10勝の大台を超え、数字的には及第点も、内容に関しては不安が残った。

 負けの内容が納得できない。千秋楽の豪栄道との一番、生命線の左を封じられて何も出来なかった。今場所は左にこだわり、左をねじ込もうと必死だった。この攻めを来場所も貫くなら10勝を望むことはできない。どの力士も左対策を研究してくる。ならば右をどう使うか。立ち合いは低く当たって右前まわしを取る工夫が必要になってくる。

 立ち合いの当たりを戻すことも必要。立ち合いからの突っ張りやおっつけがあれば、あっけなく負けた玉鷲、逸ノ城との一番は違う展開になっていた。立ち合いで相手をはじけば距離が出来て、突っ張りやおっつけが効く。馬力を戻せば自然と突っ張りとおっつけも思い出せる。それには秋巡業でしっかり稽古するしかない。(元大関・琴風、スポーツ報知評論家)

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