貴乃花親方が退職、臨時理事会が力士の転籍を承認

スポーツ報知
貴乃花親方

 日本相撲協会は1日、東京・両国国技館で臨時理事会を開き、貴乃花親方(46)=元横綱=の退職の意向に伴う、貴乃花部屋から千賀ノ浦部屋への転籍を承認した。貴乃花親方は9月29日に提出した所属先変更願(移籍届)に、部屋付き親方としての申請がないため、協会員としての資格を失効。自動的に1988年春場所で初土俵を踏んでから30年在籍した相撲協会を去ることが決まった。

 貴乃花親方と部屋の運命を決める理事会が終わった。協会関係者が「1つしかありません」と議題は転籍の審議と承認のみ。9月25日に貴乃花親方が代理人弁護士を通じて提出した引退届の受理を待つまでもなく、元平成の大横綱の退職が書類の上では決まった。

 転籍に関しては25日に貴乃花親方側が提出した移籍届は、受け入れ先の千賀ノ浦親方(元小結・隆三杉)の署名と押印がなく、27日の再提出でも原本ではなくコピー。貴乃花親方の押印が(コピーで)黒くなっていたため不備とされていた。27日に千賀ノ浦親方、代理人弁護士が貴乃花部屋を訪れて原本に両親方の署名、押印がなされた“完全版”を作成。同日中に協会代理人である弁護士の手に渡り、30日に協会の事務手続き担当者が受け取っていた。

 また相撲協会の芝田山広報部長(元横綱・大乃国)が、力士転籍は新旧師匠が移籍届とともに一緒に協会に出向き、理事長が確認の元に行うことが慣例と指摘。「『弟子が、弟子が(大切)』というなら、きちんと手続きをしないとね。第三者が来て手続きはありえない」と先輩横綱として幕引きのあり方に疑問を投げかけていた。千賀ノ浦親方は1日、29日の移籍届作成時に一緒に持参する提案をしたかと問われると、「そういう気持ちもありましたが、(一緒に持参は)ならなかったですね」と残念そうだった。

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