貴公俊、千賀ノ浦部屋は「みんな優しい」

スポーツ報知
初稽古を行う貴公俊(奥)

 大相撲の元貴乃花親方(46)=元横綱=が1日付で日本相撲協会を退職したことに伴い、旧貴乃花部屋から移籍した力士4人が3日、受け入れ先となった東京・台東区の千賀ノ浦部屋で初稽古を行った。2日に号泣しながら引っ越しした幕下・貴公俊(たかよしとし、21)は同部屋となる力士らの歓迎と部屋の環境に感激した。

 千賀ノ浦部屋で約2時間の初稽古を終えた貴公俊の表情は明るかった。「少しずつなじんできた。みんな優しくてやりやすい」。稽古中も最年長32歳の幕下・舛東欧(ますとうおう)が助言。周囲には受け入れに難色を示した声もあり不安が広がっていたが杞憂(きゆう)だった。

 部屋は元大関・小錦(現タレント)が現役時代に汗を流した名門・旧高砂部屋の建物。総勢13人の幕下以下が生活する2階の大部屋も「80畳くらいあります。前の部屋より広い」。伝統的な相撲部屋の作りで、20畳の上がり座敷と力士の行き来も容易な広い廊下と息苦しさはない。

 申し合いでも仕切りを挟まない“待ったなし”は「うちの部屋もそうでした」と順応しやすい。連続して相撲を取りスタミナをつけるやり方は、旧貴乃花部屋の部屋付きだった千賀ノ浦親方(元小結・隆三杉)が踏襲。「稽古が厳しく私生活も厳しくては、ついてこられない。みんなで和気あいあいがいい」と自然体で新たな弟子に接する。

 「しこ名は変えたとしても“貴”の字は外したくない。(元貴乃花)親方の言葉を思い出しながら、こっちのやり方になじんでいきたい」と貴公俊。強い思いを胸に再出発を図る。(網野 大一郎)

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