暴力根絶7か条、相撲協会・八角理事長に提言…力士の5・2%いまだ被害

スポーツ報知
最終報告する暴力問題再発防止検討委員会の但木委員長

 日本相撲協会から委嘱された「暴力問題再発防止検討委員会」が19日、都内で最終報告を行い、八角理事長(元横綱・北勝海)に暴力根絶へ7項目の提言を手渡した。同委員会は度重なる不祥事を契機に2月に発足し、親方、力士ら約900人の協会員から聞き取り調査。暴力被害を告白した割合は1979年当時の37%から昨年は5・2%まで減ったとの回答を公表した。

 だが、但木敬一委員長(元検事総長)は07年の時津風部屋での力士暴行死事件に対する反省が十分に生かされなかったと言及。「稽古で肉体をぶつけ合う。生活指導で入門したての力士に暴力を振るう抵抗感が他のスポーツに比べてない」と、兄弟子から弟弟子への暴力構造を厳しく指摘した。

 提言も、指導者としての見識を広げる師匠心得制度や関取研修の導入にまで及んだ。また、モンゴル出身で元日馬富士(元横綱)の幕内・貴ノ岩への昨年末の暴行が部屋を超えた上下関係に起因し、外国出身力士への教育拡充にも踏み込んだ。

 暴力被害の通報窓口として期待される協会のコンプライアンス委員会についても、半数の外部委員で構成するよう訴え、公平性確保の重要性を説いた。

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