貴ノ岩、元日馬富士への提訴取り下げ…代理人「バッシングが強く耐えられなくなった」

スポーツ報知
貴ノ岩

 大相撲の幕内・貴ノ岩(28)=千賀ノ浦=が、昨年10月に元横綱・日馬富士関から受けた暴行被害を巡り、慰謝料など損害賠償2413万5256円を求めた訴訟を取り下げたことが30日、明らかになった。

 この日放送のテレビ朝日系「ワイド!スクランブル」(月~金曜・前10時25分)では、貴ノ岩が取り下げを発表した文書を紹介。母国モンゴルでバッシングを受けた家族から「耐えられない」「裁判をやめてくれ」などと連絡があったと説明し、損害賠償を一切請求せずに治療費も自ら負担するとした。

 貴ノ岩の代理人を務める佐藤歳二弁護士はこの日同番組に出演。貴ノ岩について「ものすごい精神的な苦痛があった」とし、「どんどんバッシングが強くなってくると、本人も耐えられなくなったんじゃないかなと思ってます」と胸中を代弁した。

 治療費の全額負担を決めたことには「そうしないとモンゴルの国内で理解してもらえないんじゃないかと。一切自分の損害については自分がかぶるという気持ちを固めたということです」と説明。その上で「スポーツ界の中で暴力行為があって、被害が回復しないうちに、いわば泣き寝入りの状態になっているというのは好ましいことではない」と述べた。

 元日馬富士は昨年11月に事件の責任を取って引退。昨年12月に傷害罪で略式起訴され、罰金50万円を納付した。貴ノ岩の師匠だった元貴乃花親方(元横綱)こと花田光司氏(46)は内閣府に提出した告発状(後に取り下げ)の内容が事実無根だと認めるよう、日本相撲協会の役員から求められたとされることなどを理由に、10月1日付で相撲協会を退職している。

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