貴ノ岩が元日馬富士関への約2400万円提訴取り下げ 「代理人が発表した通り」

スポーツ報知
貴ノ岩

 大相撲の元横綱・日馬富士関による暴力被害を巡り、幕内・貴ノ岩(28)=千賀ノ浦=が損害賠償2413万5256円を求めていた訴訟で、貴ノ岩と代理人弁護士が30日、提訴を取り下げた。貴ノ岩本人だけでなく、母国・モンゴルで暮らす家族が耐えられないバッシング被害を受けていることが理由だと文書で説明した。損害賠償は一切求めず、治療費も自己負担する。

 左足首負傷で秋巡業を回避していた貴ノ岩はこの日、福岡・篠栗町で九州場所(11月11日初日・福岡国際センター)に向け、旧貴乃花部屋から移籍した千賀ノ浦部屋の全体稽古に復帰。福岡市内で行われた力士会にも出席した。報道陣から「提訴取り下げに納得したか」と問われると、「はい。代理人が発表した通りです」と落ち着いた表情だった。

 一方、日馬富士関側の代理人も文書で声明を発表した。調停では50万円を提示。相手側の求める賠償額とは大きな開きがあった。それについては従来通り、加療約12日間の傷害を裁判所も是認しているとし、真摯に受け止めて謝罪と示談を申し入れたと正当性を強調。今後も被害弁償には対応する。ただ、貴ノ岩が母国で受けているとされるバッシングには「事実があるとすれば極めて遺憾。元日馬富士の望むところではなく、貴ノ岩関のために何かできることがないかを真剣に考えている」と説明した。

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