御嶽海、大関取りへノルマは11勝&稀勢撃破 阿武松審判部長「強い印象残せ」

日本相撲協会は9日、九州場所(11日初日)の取組編成会議を会場の福岡国際センターで開き、大関取りに再挑戦する関脇・御嶽海(25)=出羽海=は初日に幕内・栃煌山(春日野)、2日目に玉鷲(片男波)との対戦が決まった。昇進目安となる「三役で直近3場所33勝以上」には11勝で到達できるが、阿武松(おうのまつ)審判部長(元関脇・益荒雄)は内容重視の姿勢。一人横綱となった稀勢の里(田子ノ浦)からの白星を“ノルマ”に課した。
御嶽海が“稀勢の壁”を乗り越え、大関取りを成就させる。関脇で初優勝した名古屋場所は13勝。昇進が期待された秋場所は9勝にとどまったものの「三役で直近3場所33勝以上」という昇進目安到達の可能性を九州までつなげた。
大関再挑戦となる初日の相手は、場所前に合同稽古を行ってきた栃煌山に決まった。9日の朝稽古は前日まで激しい申し合いをこなした疲労を考慮して、ストレッチなどでコンディション調整。「準備はできている。いい稽古をして、気合を入れて臨むだけですよ」と決意表明した。
この日の取組編成会議後、昇進を推薦する阿武松審判部長は、御嶽海について詳しく言及した。数字上は11勝すれば目安の33勝に届くが「相撲内容と高い次元の(勝ち)星が求められている。(大関は)勝ち続けてからの話ではないか」と慎重に見極める姿勢を強調。さらに「稀勢の里に勝つこと? そういう強い印象を残してほしい」と、一人横綱を破ることが大関への近道になるとの見解を示した。
稀勢の里戦は過去1勝6敗。今場所も終盤戦での取組が予想され、苦手意識を払拭してこそ道が開けてくる。「2ケタしか狙っていない。2ケタ勝って初めて勝ち越しだと思っている。三役として場所を盛り上げないといけない。相手が誰であろうと関係ない」。白鵬、鶴竜の2横綱が休場した1年納めの本場所で、主役になる覚悟はできている。(小沼 春彦)