貴景勝、優勝争い残った残った!1差白鵬と25日に直接対決、連覇へ大関へ道開けた

スポーツ報知
琴奨菊(左)を突っ張りで攻める貴景勝。9勝目を挙げて優勝争いに名乗りを上げた(カメラ・清水 武)

◆大相撲初場所 12日目 ○貴景勝(押し出し)琴奨菊●(24日・両国国技館)

 新関脇・貴景勝が押し出しで前頭4枚目・琴奨菊を下して3敗を守った。優勝争いの単独トップに立っていた横綱・白鵬が関脇・玉鷲に敗れて2敗に後退。22歳の大関候補が、2場所連続Vへ1差に迫った。13日目の結びでは通算41度優勝を誇る横綱との直接対決が実現。白鵬を倒しての逆転Vなら一気に大関昇進への道もひらけてくる。貴景勝のほか3敗で遠藤、魁聖も追う大混戦だ。

 消えたかに見えた2場所連続Vの可能性に、再び火がともった。貴景勝は、元大関の琴奨菊に回しを取らせず突き押しの応酬。相手がはたこうと引いた瞬間を見逃さず、一気に押し出した。「(相手と)胸を合わせなかったら戦える。我慢して、やってる途中は気持ちでいけた」。今場所9勝中、8勝は押し出し。この日も自分の相撲を取り切り、勝ち星を重ねた。

 逆転優勝の可能性は手放さなかった。「今場所の大関(取り)も優勝争いも無いと思っている」と口にしたのは23日の朝稽古後のこと。全勝だった横綱・白鵬に、3差をつけられていた。だが11、12日目で横綱がまさかの連敗。「淡々と初日の気持ちでやれるか。残りの5日間出し切れたらいい」と自らの相撲に集中した。連勝して気づけば1差。V戦線に残った。

 昨年の九州場所に続く賜杯となれば、今場所での大関取りの可能性もある。阿武松審判部長(元関脇・益荒雄)は「今はまだ、何も言えない」と慎重な姿勢。昨年秋場所は西小結で9勝、同九州場所は東小結で13勝だった。新関脇の今場所11勝を挙げれば「三役で直近3場所33勝」という大関昇進の目安はクリアする。だが目安の起点となる秋場所が2桁白星に届かなかったことから、審判部には慎重な意見が多かった。それでも過去には横綱・白鵬が、起点が小結で9勝ながら、その後の連続優勝次点で2006年夏場所に昇進した例もある。

 いよいよ迎える白鵬との大一番。先場所の初Vは絶対的横綱が不在だった。対戦成績は3戦全敗。「胸を借りるつもりで。何一つ(横綱に)勝っているものは無い。13日目の相手だと思って。気持ちを強く持たないといけない」。22歳の若武者に気負いは全くない。(大谷 翔太)

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