【尾車親方の目】ぶつかり稽古のように当たり受けた白鵬

スポーツ報知
白鵬を突き落としで破る貴景勝(左)

◆大相撲初場所13日目(25日・両国国技館)

 白鵬は11日目に御嶽海に負けて相撲勘が狂ってしまったのか。左で張り右肩から当たってまわしを取るのが白鵬の押し相撲対策でもあった。それが、ぶつかり稽古のように両手を広げ貴景勝の当たりを受けた。立ち合いから当たり、馬力で負けて最後は左からの突き落としで両手を付いた。

 御嶽海に負け、翌日の玉鷲との一番は九分九厘勝っていた相撲を落とした。いくら大横綱でもこの連敗はショックだったのかもしれない。貴景勝はこの2場所で急激に力を付けた。白鵬もそれを確かめるために場所前の稽古総見で指名した。やはり稽古と本場所は違うということだ。

 優勝争いも分からなくなった。本来なら単独トップの玉鷲が有利だが、玉鷲はこの日の夜から多くの先輩力士が泣いてきた優勝の重圧と闘わなくてはならない。14日目の碧山は激しい突っ張りとタイミング抜群のはたきが武器。碧山に勝つ前に、玉鷲は玉鷲に勝たないといけない。(スポーツ報知評論家)

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