御嶽海、史上初の再出場から三賞にビックリ「取れると思ってなかった」

スポーツ報知
殊勲賞の御嶽海

◆大相撲初場所千秋楽(27日・両国国技館)

 左膝付近の負傷で初場所を一時、休場した小結・御嶽海(26)=出羽海=が、史上初めて再出場力士として殊勲賞を獲得した。この日行われた三賞選考委員会で殊勲賞候補に挙がると、25名の選考委員の内19名が賛成に手を挙げた。「取れると思ってなかった。うれしい」と、目を丸くさせながらも吉報を喜んだ。

 今場所は初日から5連勝と絶好調。稀勢の里(荒磯親方・元横綱)と鶴竜(33)=井筒=を続けて破る活躍を見せていたが、6日目に負けた際に左膝付近を負傷した。7日目から休場すると、再出場となった11日目、いきなり初日から10連勝中だった横綱・白鵬(33)=宮城野=に挑んだ。立ち合いから一気に攻めて白星。3横綱を破ると共に、白鵬の独走に待ったをかけた。

 殊勲賞の選考過程では「休場した力士に三賞をあげるのは前例がない」という意見から、一時は見送りの空気も流れた。しかし藤島審判副部長(元大関・武双山)が「御嶽海の出場で、優勝争いの流れが変わった。さらに御嶽海は貴景勝、玉鷲と優勝争いに絡む力士にも勝っている。出てきた心意気を買ってやってもいいのでは」と意見して空気が変わった。

 途中休場したが8勝を挙げ勝ち越した。現在歴代5位タイの、12場所連続三役在位記録も更新。ベテラン上位陣が不調の中、場所を盛り上げた。「時代は動いている。でも玉鷲関が優勝して、ベテランたちはまだ譲ってくれないんだなと。ケガをして攻めの相撲を改めて見直した。しっかり押す相撲を取っていきたい」と春場所での活躍を誓った。

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