貴景勝、大関取りへ白星発進 初後援会も発足「感謝しながらやっていきたい」

スポーツ報知
母校・仁川学院小の児童に囲まれ記念撮影に応じる貴景勝(カメラ・大谷 翔太)

◆大相撲春場所初日(10日・エディオンアリーナ大阪)

 平成最後の本場所が始まり、大関取りに挑む関脇・貴景勝(22)=千賀ノ浦=が、幕内・妙義龍(32)=境川=を押し出して好発進した。“昇進ノルマ”は10勝以上。緊張感あふれる初日の土俵でも強烈な突き押しで圧倒した。今場所は5年ぶりの2横綱となり、白鵬(34)=宮城野=は勝ったが、鶴竜(33)=井筒=は敗れて明暗が分かれた。

 新大関へ。貴景勝が2秒4で勝負を決めた。立ち合いからもろ手で押して前、左に動く妙義龍を捉え押し出した。圧巻の相撲にも、「持っているものを出し切ろうと思った。(内容は)普通です」と淡々。初場所千秋楽に負傷した右足裏も、「大丈夫。完治している」と、抜群の立ち合いを見せた。

 兵庫・芦屋市出身で、準ご当地場所と位置づけた今場所。父の一哉さんも応援に駆けつけ、「今日は会心の相撲でした」。客席の父の姿は確認できなかった貴景勝だが、自らの雄姿は届けた。土俵入りでは満員御礼の会場から、この日一番の声援を受けた。「見に来てくれた人がガッカリする相撲は取れない」と決意していた。

 会場は人生の転機だった場所。小3までは空手少年だった。だが、同会場での全国大会で納得がいかない判定に泣き、父の提案で判定のない相撲に転向した。幕内初の勝ち越しは2017年春場所。18年に初めてけがで休場したのもこの場所だ。「めちゃくちゃいろんな思い出が詰まってる」。また一つ、大関昇進という思い出のページが、ここで加わるかもしれない。

 昇進目安の「三役で直近3場所33勝」は、今場所9勝で達する。だが、阿武松審判部長(元関脇・益荒雄)は「内容を重視する」と述べており、横綱・大関陣を破っての10勝以上が求められる。2日目に挑むのは3連勝中の錦木(伊勢ノ海)。「応援の力をいただいて、ありがたいなと思ってる。気を引き締めて、感謝しながらやっていきたい」。期待を一身に背負って臨む。(大谷 翔太)

 貴景勝に初めての後援会「仁川(にがわ)貴景勝後援会」が発足したことが10日、分かった。母校の仁川学院小(兵庫・西宮市)関係者によると、「OBやOG、保護者が年明けに発足させました。会員は約200名です」という。

 この日は同校の児童ら約100人が「遠足」として応援に駆けつけた。「保護者から、応援に行きたいという要請があった」(関係者)。席数に対し、応募は定員の2倍もあったという。「がんばれ貴景勝関」という横断幕2枚を児童が手作りし、声援を届けた。取組後、貴景勝と会場で交流。偉大なOBの登場に、児童らは大興奮だった。

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