人気者・天風は287日ぶりの白星

スポーツ報知
出羽の空(左)をおしだしで破った天風(右)

◆大相撲春場所2日目(11日、エディオンアリーナ大阪)

 元幕内(最高位は前頭13枚目)の人気力士、西序二段50枚目・天風(27)=尾車=が、東49枚目・出羽の空(出羽海)を押し出して昨年の名古屋場所の7番相撲以来、287日ぶりの白星を手にした。

 「久しぶりの相撲なので緊張しました。(序二段に落ちても)声をかけてくれるファンがいるというのはうれしいです。落ち着いて相撲が取れました。本当は土俵際でも前にきちんと出れば問題はないんですけどね。デビューしたのも12年前の大阪ですから。ここが再スタートの地。一からのスタートです」。体重は約30キロ減の170キロ台に落ちてしまったが、機関銃トークは健在だった。

 明るい笑顔の裏に苦悩があった。昨年の夏場所の2番相撲で右膝の関節が外れる大けがを負った。すぐに都内の病院で手術を受けて1か月近くの入院を余儀なくされた。その後は過酷なリハビリが待っていたが、そこは人気者の天風。「プールに行ったらマダムに声をかけてもらい、励まされました」。

 場所前の稽古では久しぶりの土の感触を楽しんだ。土俵に転がり泥まみれになりながらも師匠の尾車親方(元大関・琴風)から「それでいい。少しずつ思い出していけばいい」というアドバイスを受けた。

 「師匠も同じ膝をケガして番付を下げた。同じ道かという全然、違いますけど、道を作ってもらったのは事実ですからね。今は目の前の相手に敬意を払いながらしっかりと戦っていきたいです」。今場所は元大関の照ノ富士(伊勢ヶ浜)も序二段の土俵に上がっている。「番付も近いので当たるかもしれませんね」と最後まで笑顔で話していた。

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