貴景勝、綱食って大関だ!ノルマあと3

スポーツ報知
貴景勝(左)が突き落としで千代大龍を下す(カメラ・能登谷 博明)

◆大相撲春場所9日目 ○貴景勝(突き落とし)千代大龍●(18日・エディオンアリーナ大阪)

 貴景勝が、一瞬で悲鳴を歓声に変えた。立ち合い、ぶちかましてゴツンと鈍い音が響く。千代大龍との押し合いから一度は押し込まれ土俵際も、冷静に左で突き落とした。4連勝で7勝目。「体が動いてくれた。相手がどうというより、自分がどうするかと思っていきました」と、うなずいた。

 後半戦白星スタート。八角理事長(元横綱・北勝海)は「最後は足腰の強さが勝敗を分けた。稽古量の差が出た」と分析。互いに突き押し相撲同士だが、相手は190キロの巨漢。「馬力があるので、気持ちで少しでも消極的になると吹っ飛ばされるから」と真っ向勝負を挑み、競り勝った。

 昇進ノルマの2ケタ白星まで3勝。2横綱3大関との対戦を残し、新大関への実力が試される。疲れも出る後半戦に、上位陣との取組が組まれる関脇。この日の朝稽古後も「食べる寝る、当たり前のことをしっかり確認してやる」と、足元を見つめる必要性を説いた。日々体の変化を感じながら、朝稽古の内容も調整する。その準備に、余念はない。

 10日目の相手は横綱・鶴竜。対戦成績は3戦全敗で、いずれも押し負けて黒星を喫している。だが初賜杯を抱いた昨年の九州場所以降、対戦はなし。急成長中の実力を発揮し横綱を破れば、昇進への勢いは一気に増す。大関取りへ、いよいよ勝負の6日間。「集中して。やるだけやって準備して、後悔しない相撲を取りたい」と、闘志を燃やした。(大谷 翔太)

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