貴景勝“大関入れ替え戦”制し昇進ノルマ10勝 カド番・栃ノ心は陥落

スポーツ報知
栃ノ心(左)を押し出しで破った貴景勝(カメラ・朝田 秀司)

◆大相撲春場所千秋楽 ○貴景勝(押し出し)栃ノ心●(24日・エディオンアリーナ大阪)

 大関取りの関脇・貴景勝(22)=千賀ノ浦=が、カド番大関・栃ノ心(31)=春日野=との“入れ替え戦”に勝ち、大関昇進のノルマとなる10勝目をあげた。負け越した栃ノ心は大関在位5場所で、1974年の大受に並び最短(年6場所制の58年以降)で陥落が決まった。

  貴景勝はいつも通りの低い立ち合いから、回転の速い突きで栃ノ心を土俵際に追い込むと、そのまま一気に押し出した。

 貴景勝は14日目の時点で「三役で直近3場所33勝」の昇進目安には届いているが、阿武松審判部長(元関脇・益荒雄)が提示するノルマは10勝以上。1横綱1大関を破って9勝をマークしているものの、上位と当たる終盤戦では1勝3敗と苦戦していた。阿武松審判部長は「今日の一番を見てから判断したい」と話しており、負ければ再び昇進持ち越しとなりかねない状況だった。

 栃ノ心は在位5場所で関脇降下となり、74年夏場所の大受に並び最短となった。

 ◆貴景勝 光信(たかけいしょう・みつのぶ)本名・佐藤貴信。1996年8月5日、兵庫・芦屋市出身。22歳。千賀ノ浦部屋。14年秋場所で初土俵。16年春場所後に新十両。17年初場所で新入幕。同年春場所で敢闘賞を受賞。18年九州場(13勝2敗)で初優勝を挙げた。本名の貴信は前師匠の貴乃花親方(元横綱)と織田信長から1字ずつ取ったもの。しこ名は前師匠が好きな戦国武将の上杉景勝が由来。中学時代、稽古相手がおらず、宇良のいた関学大に出稽古したこともある。ライバルは阿武咲。中学3年生時の11年の全国中学校相撲選手権決勝で対戦。貴景勝が勝利し中学生横綱に輝いた。175センチ、169キロ。得意は突き、押し。

 ◆栃ノ心 剛史(とちのしん・つよし)本名レバニ・ゴルガゼ。1987年10月13日、ジョージア・ムツヘタ出身。31歳。少年時代は柔道、サンボを経験。06年春に初土俵。08年夏に新入幕。18年初場所で初優勝。同夏場所後に大関(最高位)昇進。得意は右四つ、上手投げ。趣味は料理。母国と同じ読みの銘柄の缶コーヒー「ジョージア」を愛飲。191センチ、175キロ。

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