羽生結弦、「今シーズンやるつもり」4アクセル伝説!

スポーツ報知
練習を公開した羽生結弦(カメラ・高木 恵)

 【トロント(カナダ)30日=高木恵】男子フィギュアスケートで五輪2大会連続金メダルの羽生結弦(23)=ANA=が当地で練習を公開し、今季のプログラムを発表。フリープログラムはロシアのエフゲニー・プルシェンコの伝説の演目「ニジンスキーに捧ぐ」をアレンジしたもので「Origin(オリジン)」と名付けた。ショートプログラム(SP)はジョニー・ウィアー(米国)が使用した「秋によせて」。誰も成功していないクワッドアクセル(4回転半ジャンプ)へ今季中に挑戦する意欲も見せた。

 哀愁を帯びたバイオリンの旋律に、羽生の身のこなしが優雅に重なった。初披露したフリーで流れた曲は、皇帝プルシェンコの「ニジンスキーに捧ぐ」をアレンジしたものだった。タイトルの「Origin」は羽生自身が名付けた。「起源とか始まりとかという意味を一番もたせたかった」。プルシェンコに憧れスケートに没頭した幼い頃、スケートが楽しかった。五輪王者は新プログラムに原点回帰の思いを込めた。

 66年ぶりの五輪連覇を達成した平昌大会後、痛めていた右足首の治療のためにリンクを離れた。その間に「小さい頃からずっとやりたいなと思っていた」という同プログラムに挑戦したい思いが強くなった。「使わせてもらうことは恐縮するところがあった」というが、4月のアイスショーでプルシェンコに申し出たところ「頑張ってね」と背中を押された。

 五輪連覇で多くの人を勇気づけた。これからは自分のために氷に上がる。「期待に応えなくてはいけない、結果を取らなくてはいけない、というプレッシャーがすごくあったのが、今は外れていて。これからは自分のために滑ってもいいのかなと。自分に対しての恩返しというか、自分が報われるようなことをしてあげたい。初心に帰ってスケートを楽しみたい」。幼い頃から憧れる2人のスケーターにまつわる選曲は「自分への恩返し」だった。

 史上初のクワッドアクセル成功という、大きなモチベーションもある。足の負担を考えながら、日々練習に取り組んでいる。「まだ跳べていないけど、跳べるまでの過程を楽しみながら練習していきたい。できれば今シーズンやるつもりです」。アクセルジャンプという羽生の“原点”を盛り込んだ「Origin」の完成を目指す。

 ◆ニジンスキーに捧ぐ プルシェンコの03―04年シーズンのフリープログラム。曲はエドウィン・マートンの「アート・オン・アイス」などを使用。ロシアの伝説的バレエダンサー、ヴァーツラフ・ニジンスキーのポーズを随所にちりばめた。ロシア選手権の芸術点で、当時の採点方法の6点満点をジャッジ全員がつけた伝説の演目。

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