トロントで練習公開の羽生が語る4「プルシェンコさん…ずっとこういうふうになりたいなって」

スポーツ報知
練習を公開した羽生結弦(カメラ・高木 恵)

 ―新しいプログラムはいつ決めた?

 「えっとー、曲自体は両方ともなんですけど、オリンピックが終わって、それから1か月間本当にスケートができない状況だった時にずっと考えていて、まあある意味、さきほども言ったように、もう自分の、なんだろう、勝つとか負けるとか、そういったものに、固執する、しすぎる必要はないのかなというふうに思ったのと同時に、なんか、自分のために滑ってもいいかなっていうふうに思って。今シーズンこの2つの曲にしようと思いました」

 ―プルシェンコの反応は?

 「なんかすごくうれしそうにはしてくれていました。ジョニーもそうで。もちろん自分にとってはすごく恐縮であったのは、もちろんあって。話し出すタイミングとか、すごく緊張した思いはあるんですけど、本当に快く受け入れてくださいましたし、やはり、僕はプルシェンコさんではないので、まったく違ったものになっていると思いますし、これからももっとしたいなとは思っているので、そのむねは両選手…じゃないな、両スケーター? に伝えて、ええ、了承を得ていますし、そのうえで、自分もまあ、オリジナルにはしたいとは思っているんですけど、彼らへのリスペクトであったりとか、そういったものを非常に持ちながら、滑っていきたいと思っています」

 ―初めてプログラムを見た時のことを覚えている?

 「本当にあのお、なんだろう。プルシェンコさんはもういわずもがな、もうずっと…うーん、なんだろう、うーん、ずっとこういうふうになりたいなっていうふうに思いながら見ていて、なんていうんですかね、あんまりこういう…かっこいい曲というか(笑い)、なんかうーん、なんていうんだろうな…ある意味自分がまだ使ったことがないジャンルの曲ではあったので、小さい頃からやりたいなって思ってました。で、まあずっとやりたいなと思っていたんですけど、やっぱり彼の、代表的なプログラムでもありますし、やっぱりそこは、自分が使うべきではないなとか思いながら、ずっと我慢していたんですけど、オリンピックが終わって、いいかなって思って、やりました。えっとー、なんて言えばいいんだろうな(笑い)。やっぱり小さい頃に一番思ったのは、あれを滑っている時の、ニジンスキーを滑っている時の圧倒的なオーラであったりとか、またはそのー、ニジンスキーのポーズであったりとか、一つ一つその音にあわせている動き、ジャンプ、そういったものにすごく惹かれた記憶があります。ジョニーの「オトナル」に関しても、僕らは「秋によせて」ってずっと思っていましたけど。「秋によせて」は、なんだろうな…。衝撃的だったのはやっぱり、男性だからこそ出せる中性的な美しさっていうのが彼の一番の魅力だなと思いましたし、あの頃って、あのー、ジャンプのGOEとかそういったものって、直接目に見えて評価されていたわけじゃないんですけど、やはりジャンプを降りた時の流れだったり、姿勢の美しさ、音にあわせたジャンプだったりとか、一つ一つの丁寧さだったり。一番はランディングの美しさ。その流れが。やはりそこにすごく惹かれて。自分もこういうふうにとびたいな、滑りたいなと思っていた記憶がすごくあります」

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