羽生結弦、SP首位発進 スピン0点に「『あぁ~』みたいな感じ」

スポーツ報知
男子SP後に取材に応じる羽生結弦

◆フィギュアスケート オータム・クラシック 第2日(21日、カナダ・オークビル)

 【21日=高木恵】男子ショートプログラム(SP)で五輪連覇の羽生結弦(23)=ANA=はスピンが0点になるミスがありながら97・74点をマークし、2月の平昌五輪以来となる右足首故障からの復帰戦で首位発進した。女子フリーはSP4位の樋口新葉(17)=東京・開智日本橋学園高=は109・47点、合計167・01点で5位に終わった。ロシアのエフゲニア・メドベージェワ(18)は204・89点で2位だった。SP2位のブレイディ・テネル(米国)が合計206・41点で優勝した。

 7か月ぶりの競技会のリンクでフィニッシュポーズを取った羽生から、苦笑いが漏れた。「悔しいです。『あぁ~』みたいな感じでした。まあジャンプを跳べてなんぼだとは思うので、プログラムとしては、まとめきることができたのかなと思う」。スピンで大きなミスがありながら、復帰戦で首位発進を決めた。

 今季からSPは後半に跳ぶ最後の1本のみ基礎点が1・1倍になる。羽生は3つのジャンプを前半に入れた。冒頭の4回転サルコーで出来栄え点3・49点を稼ぎ、難しいターンからの3回転半ジャンプ(トリプルアクセル)も成功させた。最後の連続トウループで最初の4回転の着氷が詰まり、何とか3回転につなげたが「あそこでけっこう力を使った。ちょっと集中が切れてしまった」。

 後半の足替えシットスピンは大腿(だいたい)部が氷と並行になるシットの姿勢の条件を満たせず、シニアの国際スケート連盟公認大会で初めてのスピン0点。特にシットスピンは好きな技に挙げるほど得意なだけに「スピンであんなんなっちゃっていたら、もうしょうがない。まだ滑り込み切れていない」。次戦のGPフィンランド大会(11月2~4日)へ磨きをかける。

 憧れのジョニー・ウィアー氏がフリーで使用した「秋によせて」を今季のSPに選んだ。哀愁漂う世界観を披露した“初演”後、ウィアー氏からSNSで「『秋によせて』は今やユヅくんのものだ」と賛辞を贈られた。ANAスケート部の城田憲子監督も「大会を追うごとに、曲想と滑りが一致して素晴らしい作品になっていく」と期待した。

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