羽生「4回転を入れつつ、3回転3回転も入れつつ、アクセルも2回入れたいという欲張りな…」

スポーツ報知
SP「秋によせて」でステップに入る羽生(カメラ・高木 恵)

 フィギュアスケートGPシリーズ第3戦、フィンランド大会は2日にヘルシンキアイスホールで開幕する。男子五輪連覇の羽生結弦(23)=ANA=は1日、公式練習に参加。9月のオータム・クラシックからショートプログラム(SP)、フリー共に構成の難易度を上げた。

 今季から新ルールが採用され、1・1倍の後半のジャンプはフリーで最後の3つ、SPで最後の1つとなった。SP「秋によせて」はオータム・クラシックでは前半だった最後の4回転―3回転の連続トウループを後半に持ってきた。オータム・クラシックでは「最初の方に、曲調にあわせたジャンプを跳んで、その後に盛り上がるところでスピンとステップをやりたいという意図があった」という。

 平昌五輪以来となった右足首故障からの復帰戦は優勝を飾るも、不満が残る内容だった。約1か月の間、プログラムの難易度を上げながら、完成度にもこだわり滑り込んできた。「オータムでも言っていたと思うんですけど、やっぱり勝たなきゃ意味がないので。ただ、その勝たなきゃ意味ないのうえに、やっぱり自分の表現したいことは絶対譲れないなっていうふうに思ったので、大変ではあったんですけれども、後半に4回転を入れつつ、ジャンプ以外の構成も全部後半に入れてということをしています」。

 フリー「Origin」の7つのジャンプは4回転ループ、4回転サルコー、3回転ループ、4回転トウループを跳び、後半に4回転トウループ―3回転半(トリプルアクセル)、フリップ―トウループの連続3回転、トリプルアクセル―オイラー―3回転サルコー。羽生はこの構成に行き着いた経緯について「4回転を入れつつ、3回転3回転も入れつつ、アクセルも2回入れたいという欲張りなことを考えてしまったら、4回転トウループの後にアクセルを入れるしかないかなってなっちゃって(笑い)」と話した。

 今季から演技時間が30秒短い4分になった。要素が凝縮された分、終盤の体の負担は大きいなか、ラスト3本に高難度の連続ジャンプを集めた。「後半にダブルジャンプを組まなくていいというところは大きかったですし、もちろん、練習の段階で大変だったところも何個かあったんですけど、そこはしっかりクリアできたので、不安なくできると思います」と自信をのぞかせた。

 フリップ―トウループの連続ジャンプは「たぶんジュニア以来だと思います。7年ぶりとか」。フリップをルッツにする選択肢もあったが、昨季痛めた右足を考慮した。1日の練習では、4回転トウループ―トリプルアクセルを決め、世界初の試合での大技成功に期待を持たせた。「今日でやるべきこと、今感じるべき事は感じられたと思うので、いい練習だったと思います」。3日のSPで、羽生のGPシリーズが幕を開ける。

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