宇野昌磨、4回転「回りすぎ」転倒も首位

スポーツ報知
男子SPで、首位に立った宇野昌磨

◆フィギュアスケート GPシリーズ第4戦 NHK杯第1日(9日、広島県立総合体育館)

 女子ショートプログラム(SP)は宮原知子(20)=関大=が今季自己ベストでルール改正後世界3位の76・08点をマークし、トップのエリザベータ・トゥクタミシェワ(21)=ロシア=に0・09点差の2位につけた。GPデビュー戦の紀平(きひら)梨花(16)=関大KFSC=は69・59点で5位。男子SPは平昌五輪銀メダルの宇野昌磨(20)=トヨタ自動車=が4回転ジャンプで転倒しながら92・49点で首位発進した。

 会場に響く大歓声とは裏腹に、演技後の宇野は晴れない表情だった。冒頭に4回転フリップを成功させるも、続く4回転トウループで「回りすぎた」と、転倒して連続ジャンプにできなかった。最後のトリプルアクセル(3回転半)は加点3・66点を引き出して首位に立ったが「(ミスは)思いっきりやった結果だけど、もっといいジャンプが練習でできていた。いい演技ではない」と苦笑いだった。

 予感が的中した。「調子がいい時ほど試合で失敗する」。この日は朝の練習から好調で、挑戦した4回転ジャンプは全て降りていた。すると、直前の6分間練習で「ジャンプが前傾になっている」と気付いた。フリップとトリプルアクセルは試合で修正できたが「一番の課題」というトウループが「イメージ通りの失敗」になった。それでもスケートカナダで転倒したトリプルアクセルは助走を少し直線的な軌道に変更して成功。続くステップでは観客の手拍子を引き出し「全体的に(スケート)カナダより動いていた」と、成長を実感できる部分もあった。

 過去2年は「攻める」をテーマに戦ってきたが、今季は「信じる」という言葉を掲げ「信じられるだけの練習をしないといけない」という。周囲が驚くほどの練習量が強さの原動力。優勝すれば4年連続のGPファイナルが決まる。「今から何かすることはないので、全力で頑張る」。信じてきた自分のスケートを最後まで貫く。(小林 玲花)

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