羽賀亮平、地元・帯広開催W杯で健在ぶり示す2位「最大限の滑りができた」

スポーツ報知

◆W杯スケート帯広大会第2日(17日、明治北海道十勝オーバル)

 男女500メートル、男女1500メートル、男女マススタートが行われた。男子500メートルでは帯広市出身の羽賀亮平(30)=日本電産サンキョー=が今季ベストタイの34秒71で2位。若手の台頭が目立つ男子短距離界で2010年バンクーバー五輪代表のベテランが地元・帯広で健在ぶりを示した。

 羽賀が両手を思い切り伸ばし、最終直線を駆け抜けた。34秒71。第1組に登場し、前日にも行われた同種目の優勝タイムをいきなり上回る好記録に、2300人の観衆がどよめいた。9組目を滑った世界記録保持者のクリゾニコフには0秒10及ばなかったが「最大限の滑りができた」。ゴール後には力強く右拳を突き上げ、地元の声援に応えた。

 並々ならぬ思いを秘め、今季を迎えた。21歳で2010年バンクーバー五輪に初出場したが、14年ソチ五輪、18年平昌五輪は代表の座を逃した。「もちろん引退を考えた時期もあった」。9月の誕生日で30代に突入、周りに相談しながら、進退について悩み抜いた。

 「(落選し)悔しかったが『スケートが好き』って、改めて思った。良いタイムが出たらうれしいし、それを味わえるのもスケートをやっているから」。自身と向き合う中で、競技にのめり込んだ頃の原点を思い出し、現役続行を決めた。

 今夏はナショナルチームで若手と合宿し「スケート人生で一番ハードな練習を積んだ」と話す。日本男子のW杯メンバーでは最年長。33歳で迎える北京五輪へ向け「毎シーズン結果を出せば、4年後につながる。小平(奈緒)さんも2つ上だし、負けていられません」。銀メダルを首から提げ、童心に返ったように笑った。(宮崎 亮太)

スポーツ

×