紀平梨花、3回転半の裏に驚異の身体能力 50メートル7秒台 体脂肪率は6パーセント

2018年12月10日6時10分  スポーツ報知
  • フリーの演技を終え、ガッツポーズする紀平(カメラ・相川 和寛)
  • フリーで3回転半―2回転トウループを成功させた紀平(連続写真)

 ◆フィギュアスケート GPシリーズファイナル 第3日(8日、バンクーバー・サンダーバードスポーツセンター)

 【8日=高木恵】男女通じて日本勢初となるGPデビュー戦からの3連勝でファイナル女王に輝いた紀平梨花(16)=関大KFSC=の武器は精度の高い3回転半ジャンプ(トリプルアクセル)。大技を支える体脂肪率6%、50メートル走7秒台の驚異の身体能力に加え、ひたむきな練習姿勢が、今季国際大会4戦4勝の飛躍を生んだ。

 トリプルアクセルを自在に操る紀平のすごさの根源は、身体能力の高さにある。体脂肪率は驚異の6%。腹筋は割れており、細い腕には力こぶが宿る。50メートル走で7秒台を記録したこともある。浜田美栄コーチは「全てのバランスがいい。柔らかすぎず、硬すぎず、バネもある。上半身も、日本人は弱い子が多いけどしっかりしている」。培われた土台の充実ぶりを強さの秘密に挙げた。

 1歳から体を鍛えてきた。2歳になる前にプロゴルファー横峯さくらの父・良郎氏の実兄・吉文氏の「ヨコミネ式」を採用する幼稚園に入園した。子供の可能性を引き出すことを目的に掲げる「ヨコミネ式」で腹筋や背筋といった基礎運動から、柔軟体操まで幅広く取り組んだ。卒園するまでに逆立ち歩きや片手での側転を覚え、跳び箱8段を跳べるようになった。母・実香さん(47)は「あの頃に身に着けた柔軟性がトリプルアクセルに生きている」と明かした。

 小学5年生の12月から浜田コーチのもとで指導を受けるようになった。当時は2回転までしか跳べなかったが、わずか1年でアクセルを除く、すべての3回転をマスターした。「小学校6年の時には、この子はアクセルを跳べると思った。それくらい身体能力が高かった」と浜田コーチは振り返る。

 父・勝己さん(51)はスキーの指導者の資格を持ち、母の実香さんは中学時代バスケットボール部で活躍。運動神経の良さも遺伝した。試合前には筋肉の状態にこだわりを見せる。「筋肉の調整の仕方が分かってきた。だるい日はほぐしを多めに入れる。そうじゃない日はトレーニングを入れた方がいい」と話すなど、アスリート的な思想が強い。

 他の女子選手と比べて際立っている身体能力に加え、練習への取り組みも熱心だ。「もともと素直なんで、細かいこともやってくれる。反復練習とか細かい部分を、何べん言われても我慢してやる」(浜田コーチ)。「努力」も紀平の進化を支えている重要なワードの一つだ。

 ◆アスリートの体脂肪率 男性では、サッカーの長友佑都や現役時代のハンマー投げ・室伏広治氏が3%台。スキージャンプの葛西紀明が5%台。米大リーグのイチロー、サッカーの本田圭佑が6~8%。女性では、現役時代のテニス・伊達公子が10%以下。計測方法によっても変化するが、一般男性の標準値は15~20%で、女子は20~25%。

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