高橋大輔、間に合った!「5年前より上がっている」 全日本フィギュア

スポーツ報知
全日本フィギュア、前日練習で演技する高橋大輔(カメラ・渡辺 了文)

 フィギュアスケートの世界選手権(19年3月、埼玉)代表選考を兼ねる全日本選手権は21日から4日間、大阪・東和薬品ラクタブドームで開催される。20日は公式練習が行われ、男子で10年バンクーバー五輪銅メダルの高橋大輔(32)=関大KFSC=は4回転トウループを2度着氷。2位だった12年大会以来、6年ぶりの表彰台へ順調な仕上がりを見せた。女子の紀平梨花(16)=関大KFSC=は初優勝に挑む。

 余裕すら感じさせた。高橋は4回転トウループをきれいに成功させ、端正な表情をパッと明るくした。「動画で見たけど、めっちゃ良くて自分でもびっくり」。SPの曲「ザ・シェルタリング・スカイ」に乗せた練習中にも、バランスこそ崩しながら着氷。今月初旬から実戦投入を目指して本格調整してきた切り札に使えるメドが立ち「いけるな、という感覚は強くなってきた」と眼光を鋭くした。

 「(08年に)手術をした(右)膝とも付き合ってきて、自分の体がどうなのか分かってきたのが結果につながっている」。4回転トウループは引退前の14年ソチ五輪(6位)でも構成に入れてきた技。スケート靴のサイズも西日本選手権(11月)から0・5センチ小さくし、繊細な感覚とすり合わせた。空中動作が大きく、着氷時の衝撃も大きい4回転。バランスを崩せば、むち打ちのような症状も出る。周囲に「首が痛ぇ~」と漏らしながらも氷と向き合い、大舞台に間に合わせた。

 2月の平昌五輪で金メダルの羽生結弦(24)=ANA=、銀メダルの宇野昌磨(21)=トヨタ自動車=らが世界と切磋琢磨(せっさたくま)する姿に心を打たれた。「『いいな』って思って。刺激になった」と、全日本への出場を目標に現役復帰した。自国開催の世界選手権代表3枠を争う今大会は今季GPファイナル2位の宇野がV候補本命だが、高橋も表彰台に立てば6年ぶりの世界選手権出場が見える。「5年前跳んでいた4回転より、うまくなっているんではないかと思う。基本的にジャンプ自体は全体的に5年前より上がっていると感じている」と成長を信じている。

 22日のSPは、西日本選手権と同じ3回転半ジャンプ(トリプルアクセル)を軸とした構成で臨む見通し。4回転トウループはフリーでの投入を見据える。ソチ以来の大技で観客の心をつかんだ時、世界への道が再び開ける。(細野 友司)

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