加藤条治、“魔法の調整”で35秒00「正直、天才だなと思いました」

2018年12月30日21時3分  スポーツ報知
  • 加藤条治

 スピードスケートの全日本スプリント選手権は30日、北海道・帯広市の明治北海道十勝オーバルで最終日が行われた。男子500メートルで、2010年バンクーバー五輪銅メダルの加藤条治(33)=博慈会=が35秒00の好記録で4位に入る健闘を見せた。

 タイムを聞いた瞬間、加藤は「やった!」と満面の笑みを浮かべた。「タイムを見てびっくりしました。こんなに出る予定じゃなかった」。“想定外”と驚いた理由は、ここまでの過程にあった。実は8月30日に痔(じ)の手術を受けていた。そこから10月の全日本距離別選手権を目指して調整を再開した直後、今度は腰を痛めた。同大会を欠場し、約3か月は体を動かせない状態が続いた。

 結果的に今季初戦となった全日本スプリント選手権に向けた準備期間は、わずか1か月。33歳という年齢も考えれば無謀な挑戦に思われたが、堂々たる快走だ。「正直、天才だなと思いました。完全にムチャなことをやっていたので、昨日の結果(35秒34)でもかなり上々だった。さすがに今回ばかりは自分のこと、超人だなと思いました(笑い)」と冗談めかしながら、喜びをかみしめた。

 だが、決して浮かれてはいない。今回は短い調整期間で突貫工事で間に合わせるため、「魔法のような調整を使って、ここで一発引っかかればいいなと思って」と、普段の調整の過程を省いてきたという。さらに男子500メートルは今季、新浜立也を筆頭に長谷川翼、村上右磨、羽賀亮平らがW杯で表彰台を争うなど活況を呈している種目だ。

 「ある程度の感覚と経験で、ここまでのことはできるんです。ただ、これからもっと上に行かなきゃいけない。どんどん国内のレベルも上がっている。そこに追い付き、追い越すには相当な時間も覚悟も必要。これからはそっちの方にも目を向けていかなきゃいけない。自分の中だけで戦ってられるような世界じゃなくなってくるので、そのへんを勘違いしないように、また気を引き締めていかないといけない」

 5大会連続の五輪出場を目指すベテランは、自身の現在地を冷静に受け止め、今後の戦いに備えていく。

冬スポ
注目トピック
報知ブログ(最新更新分)一覧へ