新浜立也、初総合V!500メートル2日連続1位&1000メートル2位

スポーツ報知

◆スピードスケート 全日本スプリント選手権最終日(30日・明治北海道十勝オーバル)

 男子は別海町出身の新浜立也(22)=高崎健康福祉大、釧路商高出=が、138・735点で初の総合優勝を飾った。500メートルが34秒71で2日連続の1位となり、1000メートルでも2位に入った。1000メートルを1分8秒81で制した帯広市出身の山田将矢(22)=日大、池田高出=が総合2位。女子は小平奈緒(33)=相沢病院=が2大会連続6度目の総合V。高木美帆(24)=日体大助手、帯広南商高出=は2位だった。

 新進気鋭の22歳が、日本一のスプリンターの称号を手にした。最終組で迎えた最後の1000メートル。新浜は1分9秒03で初日から0秒99もタイムを上げ、総合成績では0・61点差で山田をかわして優勝を決めた。右手を突き上げた新王者は「そこまで実感はないけど(22年)北京五輪の金メダルを最終的な目標にしている。ここは通過点なのかなと思います」と冷静に喜びをかみしめた。

 強行出場が実った。500メートルで国内最高記録の34秒50をたたき出すなど、初日を1位で終えたが、開幕2日前に痛めた左太もも裏は限界に近付いていた。「正直、万全ではなかった。昨日の夜、どうしようか悩んだ」。モチベーションとなったのは、確定していなかった来年2月の世界距離別選手権の1000メートルの代表の座。500メートルは内定していたものの「1000メートルは得意じゃなかったけど、今季から戦える位置にきた。どちらでも世界で戦えなければ、日本でも勝てない」と気持ちを奮い立たせた。

 この日は得意種目の500メートルは抑え目に滑り、1000メートルに全力を傾ける作戦だった。それでも、500メートルを34秒71で制して勢いに乗り、1000メートルは「けがも覚悟で最初から突っ込んだ」と前半の600メートルを全体トップの41秒33で通過。以前は失速した残り400メートルも27秒台で踏ん張り、メンタル面の成長も示した。

 同学年で1000メートルを主戦場とする山田とのハイレベルな争いも、進化を後押しする。春から掲げる目標は「出られる大会はすべて表彰台」。来年2月の世界距離別選手権や世界スプリント選手権の代表にも初選出。世界の舞台で一層の飛躍を目指す。(林 直史)

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