小林陵侑、師匠・葛西紀明に並んだ!日本選手同一シーズンW杯最多勝の6勝目

スポーツ報知

◆W杯スキージャンプ男子個人第9戦(1日、ドイツ・ガルミッシュパルテンキルヘン)

 ジャンプ男子は、ドイツのガルミッシュパルテンキルヘンで伝統のジャンプ週間第2戦を兼ねた個人第9戦(HS142メートル)が行われ、18年平昌五輪代表の小林陵侑(22)=土屋ホーム=が合計266・6点で自身初の3連勝。今季、通算とも6勝目で、葛西紀明(46)=土屋ホーム=の日本選手同一シーズンW杯最多勝に並んだ。ジャンプ週間も2連勝で、97―98年季の船木和喜(フィット)以来日本勢2人目の総合Vに前進した。

 新年も破竹の快進撃が続く。小林陵は不利な追い風を攻略し、ジャンプ週間2連勝。「いいジャンプができているのは、すごくいいこと。(19年の)いいスタートが切れた。率直にうれしい」と言葉が弾んだ。所属の土屋ホームで監督を兼ねる葛西と並び日本勢シーズン最多6勝目に手が届いた。「出来過ぎ」と照れくさそうに笑った。

 1回目、宮平秀治ヘッドコーチは追い風でもためらわずにスタートの合図を送った。「普通なら嫌だなと思うが、頭一つ抜けている。それだけ陵侑の状況がいい」と確固たる自信があった。136・5メートルと十分な飛距離でトップ。同じく後ろから風が吹いた2回目は踏み切りのタイミングがやや早く、持ち前の高さのあるジャンプではなかったが133メートルまで粘った。「集中していいジャンプができた」と小林陵。2回ともいい風に当たったアイゼンビヒラーに飛距離と飛型点で劣ったが、より難しい条件で飛んだことによって計8・2点の加点を受け、競り勝った。

 岩手・盛岡中央高時代の姿を見た葛西が「飛び出してからのタメとかが(W杯男子最多53勝の)シュリーレンツァウアー(オーストリア)に似ていた。こいつは来るんじゃないか、すぐ獲ろうと思った」とホレ込みスカウトした。入社4年目で開花した教え子に「誰も抜けないような記録を作ってほしい」。P・プレブツ(スロベニア)が持つシーズン最多記録(15勝)の更新に期待を寄せるほど、今の小林陵には勢いがある。

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