高梨沙羅、苦悩の8位「焦りもある」

スポーツ報知

◆W杯ジャンプ 女子札幌大会最終日(13日、札幌・大倉山ジャンプ競技場)

 個人第7戦(HS137メートル)が行われ、18年平昌五輪銅メダルの高梨沙羅(22)=クラレ=が116・5メートル、110・5メートルで8位に入ったのが日本勢最高だった。17年世界選手権銀メダルの伊藤有希(24)=土屋ホーム=は170・9点で10位。平昌五輪金のマーレン・ルンビ(ノルウェー)が2回目に133・5メートルを飛び、229・8点で今季初優勝。

 沙羅の悩みは晴れない。試技をかねた予選は120・5メートルで3位だったが、本戦は1回目に116・5メートル、2回目は110・5メートルと飛距離を落とした。課題の助走姿勢が決まらず、手応えをつかみかけては逃してしまう。「試技でうまく組める感触があっても試合で打ち砕かれる。失敗から学ぶ糧は多い、とポジティブに考えないといけない」と自らに言い聞かせた。

 全日本スキー連盟でノルディックを統括する斉藤智治常務理事は「本来のジャンプからすると、内容的には60%くらいかな。(助走のことを)少し考え過ぎなのかもしれない」とみる。22年北京五輪金メダルを見据えてジャンプを再構築する中で、すぐに結果が出ないのは承知の上。ただ、大声援の中で飛ぶ国内開催のW杯は特別だ。この日は父・寛也さんの51歳の誕生日でもあった。沙羅自身も「日本の試合なので、勝たないといけない焦りもある」と複雑な胸の内を明かした。

 次戦は蔵王大会(18~20日、山形)で個人戦2試合、団体戦1試合を戦う。12年3月にW杯初勝利を挙げた思い出の台で、復調への兆しをつかめるか。「状況は厳しいけど、挑戦し続けるしかない。蔵王へ何とか改善したい」と必死に前を向いた。(細野 友司)

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