坂本花織は反対押し切り最後のインターハイ 高校に恩返しの舞

スポーツ報知
今年初戦の全国高校選手権でフリーを滑る坂本花織

 フィギュアスケートの全国高校選手権は27日、名古屋ガイシアリーナで女子フリープログラムが行われ、全日本女王の坂本花織(18)=神戸野田高=が139・62点、合計213・37点で優勝した。中京大中京高(横井ゆは菜、山下真瑚、荒木菜那)が優勝した団体戦でもチームを4位に引き上げた。

 昨年制した四大陸選手権(2月7~10日、米国・アナハイム)の直前の今大会出場は中野園子コーチをはじめ、関係者ほぼ全員から反対されたが「どうしても出たい」と譲らなかった。高校選手権はジュニアのルールで行われる。課題ジャンプ(今季はフリップ)を組み込まなければならないSPは構成を変えなければならず、フリーは演技時間が30秒短い3分30秒。「3分半も4分も練習しなきゃならないのよ!」という中野コーチに「頑張ります!」と返した。曲の通し練習をSP、フリー共に2パターンを毎日こなすことは大変だったが「いい練習になった」と前向きに取り組んできた。

 昨年4月に新入生が入部し、ようやく団体戦を3人で組めるようになった。「3年間、野田高にお世話になった。結果で恩返ししてきたつもりですけど、インターハイは学校対抗なので学校に貢献できるので。野田高の名前を少しでも上げたかった」。会場には高校関係者が大勢応援にかけつけた。会場内を歩けば知った顔とすれ違い「先生だけで30人くらい来ていて。ここ、名古屋やんなあ? って(笑い)」。

 4月から神戸学院大に進学する。「充実しすぎて、めっちゃ楽しかった。学校に行っているだけで楽しかった」という3年間の高校生活は、残すところあと2か月。連覇がかかる四大陸選手権(2月7~10日、米国・アナハイム)、初出場の3月の世界選手権(20~24日、さいたま)へ、この日の滑りをつなげていく。(高木 恵)

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