渡部暁斗3位 最後の直線で次々と抜かれるも2大会連続表彰台「受け止める」

スポーツ報知

◆ノルディックスキー世界選手権第9日(28日、オーストリア・ゼーフェルト)

 複合個人ノーマルヒルで渡部暁斗(30)=北野建設=が銅メダルを獲得した。前半飛躍(ヒルサイズ=HS109メートル)は108・5メートルで6位。首位と21秒差でスタートした後半距離(10キロ)は終盤まで首位争いを演じたが、優勝したヤールマグヌス・リーベル(21)=ノルウェー=らに僅差で屈した。渡部暁は前回17年フィンランド・ラハティ大会個人ラージヒルの銀メダルに続き、2大会連続の表彰台となった。

 先頭で迎えたラスト1周、最後の直線で次々と抜かれた。個人で初の世界一の座にはあと一歩で届かず。渡部暁は優勝争いを演じた後半距離で屈し「金メダルを取れる位置にいたので、取りたかった」と残念がった。それでも「積極的にレースをした結果。順位は受け止める」と悔いはない。2大会連続で表彰台に立って笑顔も浮かべた。

 個人ラージヒルは6位に終わり、弟の善斗と組んだ団体スプリントは前半2位で折り返しながら4位にとどまった。前回はメダルを獲得した2種目で惜敗したことで「逆に吹っ切れた」と言う。

 わずかな時間で取り組んだのは「発言がネガティブだったり、ちょっと暗い雰囲気があったりした」という自分の意識を変えること。「楽観的にポジティブに試合を迎えたい」と努めて明るく振る舞い、試合に備えた。

 14年ソチ、18年平昌と五輪個人ノーマルヒルで2大会連続の銀メダル。昨季はW杯個人総合優勝を果たし、今季は「世界選手権一本に絞っていく」と公言していた。狙いを定めていた頂点には届かなかったが、世界トップクラスの力があることをあらためて示した。

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