小林陵侑、史上4人目の12勝「ほっとした」

スポーツ報知

◆W杯スキー(14日)

 ジャンプ男子はノルウェーのトロンヘイムで個人第25戦(ヒルサイズ=HS138メートル)が行われ、既に個人総合優勝を決めている小林陵侑(22)=土屋ホーム=が141メートル、141・5メートルと大飛躍を2回そろえて合計298・4点で圧勝し、史上4人目のシーズン12勝を達成した。今季の残り3試合で3勝できれば、ペテル・プレブツ(スロベニア)が2015~16年シーズンにマークしたシーズン15勝に並ぶ。

 澄み切った北欧の夜空に右拳を何度も突き上げた。2回目の最後に飛んだ小林陵は優勝の目安となる緑のラインを越えてテレマーク姿勢をぴたりと決めた。着地した瞬間に勝利を確信。「ほっとした。久しぶりにいいジャンプを2本そろえられたんで」と笑顔だった。

 他の誰も届かなかった大ジャンプの目安、ヒルサイズを2回とも軽々と越えた。飛び出してから滑空姿勢へ素早く移行し、スピードをロスしない。高さも伸びもある飛躍は、年末年始のジャンプ週間を4連勝で制した絶好調時を思い出させた。「助走も2本ともうまく決まって、踏み切りのタイミングも良かった」と満足そうだった。

 表彰台の真ん中に立ったのは、2月17日の個人第22戦以来約1か月ぶりで「半年ぶりみたいな感じがする」。ずいぶん時間が経過したように感じるのは、その間に世界選手権があったからだ。断トツの金メダル候補として臨んだ大舞台では、条件にも恵まれず個人戦は表彰台に届かなかった。

 今は心理的に解放され「もうプレッシャーはない。世界選手権も終わったので」とすがすがしい表情。次戦は「大好き」というフライングヒルでの大会。ヒルサイズ240メートルのジャンプ台が「楽しみ」と、子供のように目を輝かせた。

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