リアル「万引き家族」福岡にいた!映画公開直前に御用

スポーツ報知
万引き家族の供述

 佐賀市内の大型商業施設で調理器具などを万引きしたとして佐賀北署が5日に、福岡市城南区に住む無職の男(46)、男と同居中の元妻(46)、2人の長男(24)、長女(28)の一家4人を窃盗容疑で逮捕していたことが8日、分かった。この日は、カンヌ国際映画祭で最高賞のパルムドールを受賞した映画「万引き家族」(是枝裕和監督)の公開日。自宅からは他にも盗品とみられるバッグなどが見付かっており、作品さながらのリアル「万引き家族」だった可能性があるとみて調べている。

 日本映画としては21年ぶりのパルムドール受賞という快挙とは正反対の、トホホな「万引き家族」が佐賀で現行犯逮捕された。

 逮捕容疑は、5日午後1時15分ごろ、佐賀市内の大型商業施設内の店舗で、圧力鍋や台所用マットなど計4点、約5万3000円相当を盗んだ疑い。4人が住む福岡市内の自宅からは、盗んだものとみられる高級バッグなど17点が見付かっており、佐賀北署では4人が万引きした商品を売って生計を立てていたとみて調べている。元妻と長女の2人は7日に釈放され、今後は任意で取り調べを続ける。

 同署によると、4人は福岡市内から30キロ弱離れた佐賀市内までレンタカーで“出稼ぎ”。店舗には父と長男が入り、長女は駐車場に止めた車の運転席、元妻は後部座席に乗っていた。店舗の2人は商品をカートに入れると、そのままレジを通らずに駐車場へ。車に乗り込もうとしたところで「御用」となった。

 調べに対し、4人の供述はバラバラ。父は「息子と2人でやった。元妻と娘は関係ない」と容疑を一部否認。元妻は「車の中で待っていただけ。私は関係ない」と否認した。一方、2人の子供は「父と弟の万引きは知っていた。自分は運転係だった」(長女)、「4人で万引きした。いつも姉が運転し、盗んだものを売る時は母に運んでもらっていた」(長男)などと容疑を認めている。元妻は2人の子供の実母で、離婚後も同居し内縁状態だったという。

 この店舗では、5月にも同様に高級調理器具が盗まれる事件があり、防犯カメラの映像などから4人が浮上。同署がマークしている中で再び同じ店舗に現れ、犯行に及んだことから逮捕に至った。

 ◆映画「万引き家族」 都会の片隅の平屋でひっそりと暮らすある一家。家の持ち主の祖母(樹木希林)の年金を頼りに、父(リリー・フランキー)と息子(城桧吏)が万引きで日用品を補い、母(安藤サクラ)とその妹(松岡茉優)と共に貧しいが仲むつまじく暮らしている。ある日、父が連れてきた幼い女の子を迎え入れ、娘として育てようとするが、ある事件を機に家族の秘密が明らかになっていく。是枝監督のオリジナル脚本。8日から公開中。

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