札幌市広報誌で「ベルばら」酷似イラスト 公共マナー特集で「マナー・シラントワネット」

スポーツ報知
最近の主な類似キャラクター問題

 札幌市が広報誌「広報さっぽろ」6月号に掲載したイラストが、漫画「ベルサイユのばら」の著作権を侵害したとして、漫画作者の事務所「池田理代子プロダクション」(千葉県)が市に抗議したことが4日、分かった。市は事務所に謝罪し、7月号におわびの文章を載せた。事務所側は謝罪を受け入れ、法的措置は取らないとしている。イラストは公共マナーに関する特集に使用され、ベルばらのキャラクターに似ていた。

 札幌市は広報誌の6月号で、6ページにわたって公共マナーについての特集記事を掲載した。

 ドレス姿の「マナー・シラントワネット」が、指導役の「オシカル」に自転車の乗り方やゴミ捨てなどのマナー違反を叱られる内容。オシカルの胸には「叱」の文字のほか、「誰もがうらやむ美貌の持ち主マナー・シラントワネット」、「マナーやルールの伝道師オシカル」などの表現もあった。市はキャラクターがベルばらの「マリー・アントワネット」や「オスカル」を想起させた、としている。

 市内のファンから指摘を受けた事務所が6月6日、市に抗議。市は8日に直接、事務所を訪れ、掲載した経緯や事情を説明し、謝罪した。7月号には「漫画『ベルサイユのばら』を想起させるというご指摘をいただきました。誤解を招く表現となりましたことについて、深くおわび申し上げます」などとするおわびを載せた。事務所担当者は「作品への愛を持ってやってくれるのなら大目に見たいが、事前に許可を取ってほしい」とし、謝罪を受け入れ、法的措置は取らないとしている。

 市はイラストを含めた紙面について市内のデザイン会社に委託した。市は発行前にできあがった広報誌について会社側に著作権などで問題が生じないかについて確認したところ、「キャラクターはオリジナルであり、似ていないので問題ない」と回答。市はその回答を受け、発行を決めた。市担当者は「背景にバラの絵があったり、全体で見ると似ていると言われても仕方がなかった」と説明した。

 市は5月号から内容などを刷新し、全ページをカラー化し、「表紙は特集の内容を連想させる写真やイラストを使ったデザインに一新します」などとアピール。6月号は計104万部発行し、1日から15日まで市内95万戸に配布していた。

 ◆ベルサイユのばら フランス革命の史実をもとにしたフィクション作品。革命前から革命前期のベルサイユを描いた。通称「ベルばら」。1972~73年まで「週刊マーガレット」(集英社)で連載。日本テレビ系列でアニメ放送も始まり、映画や舞台などにも展開。代表的な少女漫画となった。13年4月にマーガレット誌上で40年ぶりの新作が発表され、話題となった。

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