タイ洞窟、13人全員救出成功 行方不明から18日目の奇跡

2018年7月11日7時0分  スポーツ報知
  • タイ北部の洞窟に閉じ込められたサッカーチームの少年らの救出活動(ロイター)

 タイ海軍特殊部隊などは10日、北部チェンライ県タムルアン洞窟に取り残された地元サッカーチームの少年らの救出作業を再開。取り残されていた5人全員を救出し、洞窟に閉じ込められた13人全員を救うことに成功した。少年12人と男性コーチが洞窟に閉じ込められてから18日目、作業開始から3日目。世界が注目した救出劇は、全員生還という奇跡とともに幕を閉じた。

 13人のうち残る5人の救出作業は10日午前10時(日本時間正午)から再開された。6時間後、9人目となる1人が脱出。以降は次々に救出に成功し、約8時間後、とうとう最後の1人、25歳の男性コーチが救出された。大雨によって洞窟に閉じ込められ、13人が行方不明となってから18日目、ついに全員の救出が完遂された。

 当局筋によると、10日朝の段階で洞窟にいたのは少年4人とコーチ1人。特殊部隊や外国出身の潜水士らは8日と9日、それぞれ4人の少年の救出に成功していた。水のたまった洞窟からの脱出では潜水を余儀なくされるため危険が伴ううえ、タイは現在、雨期の真っただ中。洞窟内の水位上昇の原因となるまとまった雨も予想されるため、特殊部隊などは早急な救出活動を迫られていた。6日には作業中の元特殊隊員が窒息死。リミットがギリギリに迫っているなかでの歓喜の生還となった。

 9日までに救出された少年8人は病院で健康状態の検査を受けている。タイ保健当局者によると「8人とも熱はなく、体調は良い」という。少なくとも1週間入院するとの見通し。また、8日に救出された4人は9日、ガラス越しに家族と面会。この4人はおかゆを食べられるまで回復したが、タイでおなじみの辛い食物はまだ禁止されているという。

 13人については、サッカー日本代表がサイン入りユニホーム13着を用意し、アルゼンチンのFWメッシら有名スターも激励。FIFA会長は、救出された場合はサッカーW杯決勝に招待したいと表明していたが、10日、健康最優先として取りやめた。米トランプ大統領、10年のチリ鉱山事故の生還者らからも続々エールが送られるなど、全世界で注目されていた。

 少年らは6月23日、サッカーの練習後に洞窟に入り、水位が上昇したため外に出られなくなったとみられている。7月2日に捜索中の潜水士らが発見。食料がほとんどなかったなかでの全員無事という奇跡を起こしたことで、少年らの自己責任を追及する声は全く上がらず、国内では強じんな精神力を称えてヒーロー扱いされているという。

 〇…サッカーのイングランド・プレミアリーグのマンチェスターUは10日、救出された少年たちを来季の試合に招待するとツイッターで明らかにした。マンUは救助の知らせに「安どしている」としたうえで、本拠地オールド・トラフォードでの試合に、少年らが所属するチームと救助関係者を招くとしている。

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