石破氏「正直、公正」総裁選出馬表明、安倍首相と一騎打ち

スポーツ報知

 自民党の石破茂元幹事長(61)は10日国会内で記者会見し、9月の党総裁選への立候補を表明した。安倍晋三首相(63)との一騎打ちとなる公算が大きいが、キャッチフレーズに「正直、公正、石破茂」と打ち出し、森友・加計問題などで政治不信を招いた安倍首相とは政治姿勢を対立軸に据え、論戦を挑む。

 石破氏が冒頭、まず口にしたのは政治の信頼回復だった。「政治が誠実、謙虚、正直に勇気を持って真実を語り、国民に納得と共感を寄せていただかなければ設計図を書き換えることができない」と強調。「政治・行政の信頼回復100日プランを速やかに実行に移す」と明言した。

 さらに「組織に誤りがあればおわびし、官僚に責任転嫁しないように心掛けたい」とし、「私は大臣時代、耳の痛いことを言う人ほど登用し、『違いますよ』というスタッフのなかで働いていた」と、首相周辺がイエスマンだらけであるかのように皮肉った。公の場で疑惑を説明しない安倍昭恵夫人についても「国民の税金を使って活動しているので、純然たる私人ではない」と指摘した。

 7派閥のうちの5派閥の支援を受ける首相の連続3選が有力視される情勢について石破氏は「大変厳しい」と劣勢を認めたが、竹下派の参院議員のほとんどが支持を表明したことには「石破包囲網とか、支持すれば冷や飯とか報道されるなか決然と表明していただき、ありがたい」。安倍陣営のネガティブキャンペーンに触れつつ感謝した。

 総裁選は「9月7日告示―20日投開票」になる見込み。安倍首相は11日にも出馬に言及する可能性がある。野田聖子総務相(57)は出馬意欲を表明しているが、20人の推薦人集めが難航している。

 ◆自民党総裁選の仕組み 立候補には党所属国会議員20人の推薦が必要。党員・党友の地方票と国会議員票の合計で争われ、過半数を得れば当選となる。地方票の比重を高めるため、2014年に300票から所属国会議員と同数(現在405票)に変えた。配分も全国の合計得票数に応じたドント方式に改定。過半数に達する候補がいなければ、上位2人で決選投票となる。決選投票も地方票が反映されるようになり、都道府県ごとに1票を配分し、票が多かった候補に加算される。

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