北朝鮮で拘束の日本人男性は映像製作に関わる滋賀県出身39歳

スポーツ報知

 北朝鮮で現地当局に拘束された日本人男性について日本政府関係者は12日、映像製作の仕事に関わっている滋賀県出身の39歳の男性とみられることを明らかにした。

 関係者によると、男性は外国の旅行会社が企画したツアーを利用し、今月上旬から北朝鮮入りしていた。過去にも北朝鮮に渡航していたとの情報もある。同国西部にある港湾都市・南浦(ナムポ)で軍事施設を撮影した疑いをかけられている可能性も浮上。政府は情報収集を急いでいる。

 北朝鮮事情に詳しい「コリア・レポート」編集長の辺真一氏は「拘束の理由がいわゆる『金目当て』なのか、それとも政治的利用をするためなのかは今後の動きを見れば、ある程度は分かってくるでしょう」と話した。

 政府は北京の大使館ルートを通じて早期釈放を求めているが、外務省の職員が立ち合いの下、北朝鮮に近い中国の都市などで釈放となれば「金目当ての可能性が高い」という。一方、政府高官や政治家が北朝鮮に赴くこととなれば「日朝の政府間協議で優位に立つのが目的で、保釈を条件に何らかの要求をしてくるのでは」。北朝鮮は今年5月、米国のポンペオ国務長官の訪問を受けた際に拘束していた3人の米国人を解放。その後、米朝首脳会談に結び付けた。

 ただ、男性の拘束は「見方を変えれば、日本にとっても必ずしもマイナスばかりではない」と辺氏は指摘。政府は現在、拉致問題の解決への方法を探っている段階だが「釈放に向けて必ず両国間での話し合いが持たれる。それが交渉の糸口となるかもしれない」とした。

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