富田林署逃走犯、日中は潜伏 夜に現金調達か ひったくり4件似た服装で手口が同じ

スポーツ報知
富田林署逃走犯、日中は潜伏か

 大阪府警富田林署から勾留中の無職・樋田淳也容疑者(30)が逃走した事件で、逃走翌日の13日以降の夜間に周辺地域でひったくり事件が頻発していることが16日、捜査関係者への取材で分かった。

 いずれも黒いミニバイクの男による犯行で、ひったくり犯の服装が樋田容疑者の逃走時のものと酷似していたケースもあった。府警は樋田容疑者との関連を捜査。日中に潜伏し、夜間に現金を調達しながら逃走している可能性があるとみて調べを進めている。

 府警によると、13日午後9時ごろ、羽曳野市内の路上で、自転車の20代女性が前かご内の現金数千円と携帯電話が入ったバッグをひったくられる事件が発生。黒っぽいTシャツのような服を着た男が目撃されていた。府警は樋田容疑者が逃走時に着用していた黒の長袖ジャージーとみて重点的に捜査している。捜査関係者によると、現金が抜き取られたバッグは大阪市西淀川区で、携帯電話は羽曳野市でともに15日に発見された。

 この事件の約1時間後となる13日午後10時ごろには大阪市平野区で同様の事件が発生。14日深夜には同市生野区で自転車に乗った女性が、15日夜には同市東住吉区で歩いていた女性が同じような被害に遭った。

 連発した計4件の事件は、いずれも夜間に女性が黒いミニバイクに追い抜きざまにバッグを奪われるという共通点がある。樋田容疑者は今年5月に3件のひったくり事件を起こしたとして窃盗罪で起訴されたが、いずれも被害者は自転車に乗った10~20代女性で、取られたのは前かごに入っていたかばん。バイクで追い抜きざまに奪われたのも同様だった。12日の逃走前後には樋田容疑者の住民登録がある大阪府松原市で黒いミニバイクが盗まれる被害があり、府警は関連を調べている。

 犯罪心理学が専門の東京未来大・出口保行教授は「こういった逃走犯の場合、対人関係が希薄な都会の人混みに紛れる傾向にある」と、樋田容疑者が大阪市内にとどまっている可能性を指摘した。また、欲望のままに犯罪に手を染める「多種方向犯」であるとも分析。「このタイプは、逃走資金を得たあとに必ず『情報』を欲しがる。繁華街の漫画喫茶などに出現する可能性があり、確保の狙い目です」と解説した。

 樋田容疑者は5月以降、20代女性に対する強制性交や強盗傷害などの容疑で計4回逮捕。約2か月半、勾留されていた。

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