同校生徒×ローソン共同開発の金農パンケーキ緊急販売

スポーツ報知
急きょ発売が決定した「金農パンケーキ」

◆第100回全国高校野球選手権記念大会最終日 ▽決勝 大阪桐蔭13―2金足農(21日・甲子園)

 秋田県勢として103年ぶりに夏の甲子園決勝に進んだ金足農の生徒と大手コンビニエンスストアのローソンが共同開発した「金農(かなのう)パンケーキ」(1個税込み145円)が23日から発売されることが21日、決まった。同商品は今年5月に限定発売。再発売の予定がなかったが、同校野球部の快進撃を受け、緊急発売することになった。秋田県内のローソン(191店舗)限定での発売になるが、「金農ブランド」が全国区となっただけに、今後は全国から販売を求める声が殺到するのは必至だ。

 社会現象になっている「金農旋風」が、地元の経済界まで動かした。金足農の生徒たちが「秋田の名産物で他にはないパンを作りたい」という願いから考案され、今年5月25日から6月30日まで限定発売された「金農パンケーキ」が再発売される。

 野球部は横浜など強豪校を破って103年ぶりに決勝進出。勝ち進むにつれ、同商品の再発売を求める声が急増していた。製造を請け負う株式会社たけや製パン(秋田市)によると、金農パンケーキの最大の特徴は県特産「あきたこまち」の米粉を使ったもっちりとした食感だ。卵を使った生地に、秋田県潟上市の老舗、小玉醸造のしょうゆを練り込み、リンゴの蜜漬を挟み込んだ。前回の発売時には秋田県産のリンゴが使われたが、今回は緊急処置としてリンゴのみ輸入品で代用するという。

 金足農による菓子パンの開発企画は2012年にローソンとの共同開発でスタート。地元の活性化を願う当時の2、3年生の女子が「金農パンケーキ」とパッケージを考案した。最近では、バナナとイチゴのクリームを包んだ「金農ババヘラボート」(17年10月から2か月限定発売)が好評で、全国産業フェア秋田大会に出品。県内のスーパー1000店舗で販売された。

 「金農パンケーキ」は毎年約1か月限定発売される“定番”に。今年5月にも「金農デニッシュドーナッツ 男鹿の塩入りキャラメルホイップ」とともにローソンで販売された。

 たけや製パン営業部企画課の加藤勇人課長は「今回は金農パンケーキのみ約8000個を2週間販売する予定です」と説明した。秋田県内限定になるが、「カナノウ」の名が全国にとどろいており、ローソンには早くも「県外で入手できないのか」という問い合わせが殺到。今後の反響次第では、野球部も届かなかった全国制覇も夢ではなくなってきた。(甲斐 毅彦)

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