「シルバー川柳」入選作品発表 「『インスタバエ』新種の蝿かと孫に問い」など20句
公益社団法人全国有料老人ホーム協会が、毎年「敬老の日」に向け公募している「シルバー川柳」の今年の入選作品が7日、発表された。
今年で18回目を迎えた「シルバー川柳」は最年少5歳女児から最年長105歳女性まで合計7872作品が寄せられ、応募者の平均年齢は69・2歳。応募者の男女比は今年は男性が54%、女性46%と、昨年に比べ男性の割合が微増。選考は同協会会員法人ホーム入居者の約139名による候補作品への投票及び、協会シルバー川柳選考会で行われた。
今回の入選作品の特徴としては「『インスタバエ』新種の蝿かと孫に問い」「Siriだけは何度聞いても怒らない」などデジタルにまつわる言葉や流行語を詠み込んだ句が目立った。
また「古希を過ぎ鏡の中に母を見る」「うまかった何を食べたか忘れたが」「『もう止めた』検査ばかりで病気増え」など老化に関する悩み、不安を自虐的に詠んだ作品は最も多く、「『ご主人は?』『お盆に帰る』と詐欺に言い」「仲いいねいいえ夫は杖代わり」「お揃いの茶碗にされる俺と猫」など長年連れ添った夫婦関係もユーモアたっぷりに詠み込まれた。
また、今回の発表に伴い、シリーズ累計80万部の「シルバー川柳8」(公益社団法人全国有料老人ホーム協会+ポプラ社編集部編、価格税別1000円)もこの日発売となった。
今年入選した20作品は以下の通り。
▽デイサービス「お迎えです」はやめてくれ
▽ベンツから乗り換えたのは車椅子
▽朝起きて調子いいから医者に行く
▽百年も生きりゃ貯金に先立たれ
▽仲いいねいいえ夫は杖代わり
▽「インスタバエ」新種の蝿かと孫に問い
▽うまかった何を食べたか忘れたが
▽Siriだけは何度聞いても怒らない
▽靴下を立って履くのはE難度
▽「ご主人は?」「お盆に帰る」と詐欺に言い
▽「もう止めた」検査ばかりで病気増え
▽お揃いの茶碗にされる俺と猫
▽納得をするまで計る血圧計
▽家事ヘルパー来られる前に掃除する
▽歩幅減り歩数が増えた万歩計
▽私だけ伴侶がいると妻嘆く
▽古希を過ぎ鏡の中に母を見る
▽無宗教今は全てが神頼み
▽君たちもどう生きるかと子に聞かれ
▽懐メロが新し過ぎて歌えない