樋田淳也容疑者、バレずに自転車旅 愛媛県庁に2度…堂々と偽装の下準備

スポーツ報知

 大阪府警富田林署から逃走し逮捕された無職・樋田淳也容疑者(30)が、逃走中に2度、愛媛県庁を訪れていたことが4日、分かった。樋田容疑者は自転車で日本一周をしている旅行者を装っていたことが明らかになっているが、県庁で堂々と、その“下準備”をしていた。

 愛媛県によると、樋田容疑者は8月24日に県庁の自転車新文化推進課を訪問。「自転車で日本一周をしている。お薦めルートはどこか」などと尋ねたため、職員が県内のサイクリングロードを記した地図を渡した。

 さらに「日本一周用のプレートが欲しい」との樋田容疑者からの依頼を受け、A4用紙に「日本一周中」との文言や、同県のゆるキャラ「みきゃん」が印刷された紙をラミネート加工して渡した。樋田容疑者は、このプレートをリュックサックに付けて自転車に乗っていたことが、後に山口県内で撮影された写真から分かっている。

 樋田容疑者は、最初の訪問から9日後の9月2日にも県庁へ。当日は日曜だったが、「同課の職員と話したい」と県庁にいた別の職員に依頼し、呼び出された男性に1時間近く「旅先でもてなしを受けた」「食べ物をもらってありがたかった」などと感想を伝えた。男性は「具体的な地名を言わないことは気になったが『おしゃべり好きな人だな』と感じた」と振り返った。丸刈りで日焼けしており、職員は樋田容疑者とは気づかなかったという。

 自転車新文化推進課は、自転車文化の拡大・普及を目的に、前身の「―推進室」を経て今年4月に設立。普段から県内外のサイクリストが多数訪れる。同課によると「(樋田容疑者は)道の駅でアドバイスを受けて県庁に来たようだ」という。「プレートの依頼は初めて受けたが、お金や時間がかかるものではないので、善意で作ったもの。県を挙げて自転車文化を盛り上げようとしているのを逆手に取られたことは残念」と悔しそうに話していた。

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