舛添要一前都知事、豊洲市場移転延期に「膨大な時間とカネを無駄にした」

スポーツ報知
舛添要一 

 築地市場(東京都中央区)から移転した豊洲市場(江東区)が11日午前0時に開場した。未明に運搬車「ターレ」から出火するぼや騒ぎに始まり、市場を歩いていた60代女性がターレと接触して負傷、約1キロにわたる大渋滞が発生するなどトラブル続きのスタートとなった。土壌汚染問題で開場が予定から2年遅れたことについて、舛添要一前都知事(69)は「膨大な時間とカネを無駄にした」と批判した。

 舛添前都知事は、スポーツ報知の取材に応じ、豊洲市場が抱える課題と築地跡地の活用プランを明かした。

 16年8月の移転延期後、都が土壌汚染の対策工事で必要な盛り土をせず、建物下が地下空間になっていることが発覚。追加対策工事を約38億円で実施し開場にこぎつけたが、“空白の2年間”の豊洲の維持費は1日当たり約500万円に上った。

 「新築の家に誰も住まずに2年間放置していたようなもの。予算に限りがある中、ゼロリスクを求め、時間を浪費した。豊洲開場時に多少の混乱はあったが、時間が経過すれば改善されていくはずだ」

 移転延期で20年五輪・パラリンピックで選手村と新国立競技場を結ぶ主要交通網として機能するはずだった都道・環状2号線の全線開通も遅れた。

 「大会期間中は選手、関係者、観客の輸送に大きな影響が出る。都内の渋滞も緩和できなくなった」

 財政面でも課題は残る。豊洲市場は約5600億円で整備され、うち約3600億円は借金として残り、開場後は年間約92億円の赤字と都は試算する。数年後には、中央卸売市場会計が資金不足に陥る可能性もある。豊洲が持続可能な市場運営を目指すため、築地跡地の活用法も問われる。

 「跡地は五輪期間中、駐車場や関係者の待機場所となる。豊洲の赤字を埋めるには、オフィスや住宅ではなく、人が集まることのできる場所にすべき。文化施設のほか、デートスポットになるような場所が良いのではないか」

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