競輪界にAI予想が初登場…チャリロトが北大と共同研究

スポーツ報知
「AI―win」サイトのイメージ

 競輪界にもAI(人工知能)が登場することが、16日に分かった。競輪くじなどを運営するチャリロトが北大と共同研究を行い、このほど実用化にこぎつけた。データをもとにした予想で、回収率(払い戻し金額÷投票金額)を高めることを目的にしている。これとともに、AIが予想に基づいた競輪の記事を書くことも可能になった。チャリロトでは、きょう17日にサイトをオープンさせる。

 人間が己の力を信じて走る競輪。ファンは、ラインや選手個々の特性などをもとに車券を購入する。そこに初めてAIが登場し、予想を行う。近年、加速度的に発展を見せているAI技術を用い、過去数年分のレース結果と選手情報を分析。人間とは違った予想や記事を生成する。チャリロトが北大とタッグを組んで完成させたのが「AI―win(アイウィン)」だ。

 最大の特徴は、回収率(払戻金額÷投票金額)を高めることを目的にしている点だ。単に当たりやすい車券を予想するのではなく、的中率と払戻金のバランスが良い車券をAIが見つけ出す。2018年4月20日から8月20日に行った実証実験では、2車単で104・3%、3連単で102・2%の回収率を達成している。

 この結果を得るには、レースを厳選することも重要。そこで、「車券の的中確率」×「オッズ」=「期待値」という計算式を用い、この期待値が6以上の車券を買い続けるのが基本となる。「AI―win」のサイトでは、期待値の高さを「☆」の数で示し、期待値6以上を表す「☆☆☆」の予想の発生率は約20%。このレースを買い続けることで、そこそこ高い確率で配当が手に入るという仕組みだ。もちろん、回収率が100%を超えたというのは、あくまで実証実験の結果であり、100%以上になることを保証するものではない。あくまでも、車券購入は個人の責任で行わなければならない。

 AI予想に基づいた競輪記事の作製も、売り物のひとつ。共同で研究した北大大学院・情報科学研究科の川村秀憲教授は「競輪は、言うまでもなく一つの魅力あるコンテンツとして確立されています。競輪を知れば知るほど、人間的なドラマがある。そこをAIと結びつけるのも面白い」と話す。

 AIが競輪記事を書く例としては、「過去4か月に1着を15回取っているX選手が自力で1着。Y選手が単騎ながらも2着。南関ラインが別線より有利と予測」という予想など。将来的には、「AI―win」が選手のツイッターやブログなどから状況や調子などを読み取り、人間では思いつかないようなストーリーを見つけ、ドラマチックな記事に仕立て上げることも夢ではない。

 「AI―win」のサービス内容、AIによる競輪予想と一言コメントの提供はhttps://ai.chariloto.comまで。

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