秋なのに全国で桜…39都道府県で開花 台風の強風と塩害で葉が落ち暖かい空気で

スポーツ報知
【注】39都道府県は、秋田、富山、石川、鳥取、佐賀、長崎、大分の7県と、調査対象になっていない沖縄を除く39都道府県。7県で実際に桜が開花していないかは不明。

 10月なのに全国で桜!? 気象情報会社「ウェザーニューズ」(千葉市)が調査したところ、国内各地で季節外れの桜(ソメイヨシノ)が開花する現象が起きていることが18日までに分かった。台風の強風や塩害が原因とみられ、専門家は「これほど広範囲で季節外れの桜が咲くのは珍しい」と話している。

 同社がアプリ利用者に12~14日にかけてアンケート調査を行ったところ、北海道から九州までの計39都道府県で、354人から「桜が咲いている」との報告が寄せられた。同社によると、9日ごろから目撃情報が寄せられるようになった。関東南部、東海、近畿を中心に「咲いている」との回答が目立ち、北関東など内陸部からの情報も寄せられた。回答総数は1万490人。

 公益財団法人「日本花の会」(東京)の和田博幸主幹研究員によると、葉桜になると、植物ホルモンの一種で成長を抑制する「アブシシン酸」が葉から花芽に送られて開花を妨げる。だが、9月30日から10月1日にかけて台風24号が列島を縦断。強風や塩害で葉が落ちた上、南から暖かい空気が流れ込んで気温が上昇し、開花したとみている。

 和田氏は「この季節でも桜が咲くことはあるが、今年は範囲が広い」と指摘。来春の開花数が心配されるが、「来春の見栄えにそれほど影響はないのではないか」とし、「ただ、強風で大枝が折れているケースがある。そこから腐ることがあり、ケアが大切だ」と話している。

 16日には仙台市青葉区の仙台城(青葉城)跡でも花を咲かせたしだれ桜が確認されている。

 

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