辛坊治郎氏、安田純平さんへの自己責任論に「こんなこと普通、議論にならないレベルの話」

スポーツ報知
辛坊治郎氏

 3日放送の日本テレビ系報道番組「ウェークアップ!ぷらす」(土曜・前8時)で2015年6月にシリアで武装勢力に拘束され、先月に解放されたフリージャーナリスト・安田純平さん(44)が2日、帰国後初めての記者会見を都内の日本記者クラブで行ったことを特集した。

 安田さんは、会見の冒頭におわびと感謝を述べ、シリア入国や拘束された経緯、3年4か月の監禁生活などを赤裸々に振り返った。拷問体験と抗議のためにハンガーストライキを実行したことも明かした。一部で「自己責任論」をめぐってバッシングを受けているが「自業自得で批判は当然」と明言。「あきらめたら試合終了」の直筆サインを披露して2時間40分の会見を終えた。

 番組では、安田さんが語った「戦場報道の使命と必要性」について紹介。安田さんは使命について「使命と思ったことはない。私自身が知りたいこと疑問に思っていることを取材して皆さんに知っていただくことができれば」とし、必要性について「国家が人を殺すのが戦争。なぜ人々が殺されなければいけないのか。判断材料は第三者から提供されるべき」と示した。

 この発言に辛坊治郎キャスター(62)は「そりゃそうだろうっていうだけの話ですよね」とし「いわゆる自己責任に関しても報道の使命に関しても、えっそういう議論まだっていう、なんか、こんなこと普通、議論にならないレベルの話だと私なんか素朴に思うんですけど」と見解を示した。

 さらに自己責任論について「イラク戦争の人質の時に問題になったのは、自衛隊のイラク派遣に反対する人たちが、その主張のために現地に入って、現地で人質になって、それが自衛隊撤退のためのツールとして使われた時に日本政府はどう判断するんだというと、これ物凄く実は重くて判断の難しいテーマですが、今回のケースはまったく違いますからね」と持論を展開した。

 その上でジャーナリストの心情として「一番腑に落ちるのが、要するにまず知りたいと思って行く。これですよね基本的に。みんなそうです。実はテレビ局の人間もみんな紛争地に行きたいと思っていますが、社内的なコンプライアンスだとか何とかで制限かけられて、実は局員の大半もなんで、オレ行かしてくれないんだと思っているのが普通ですからね」と示していた。

社会