【#平成】〈26〉カープシックから始まった“布教活動”で今では「カープ女子神3」 大井智保子さんに聞く

スポーツ報知
今年8月、マツダスタジアムでカープ女子仲間の馬場絵里香さん(左)、佐伯比佐枝さん(中)と声援を送った大井智保子さん

 惜しくも日本一は逃したが、セ・リーグ3連覇を果たした広島の熱心な女性ファン「カープ女子」が話題となったのは、平成26(2014)年のこと。同年の新語・流行語大賞でトップテンに選ばれ、その後、さまざまなジャンルで女性ファンを指す愛称が生まれる走りとなった。2013年にメディアで初めて「カープ女子」の単語を使ったとされるNHK「ニュースウオッチ9」の特集を担当したディレクター・丸岡裕幸さん(35)が当時を振り返るとともに「カープ女子神3」の一人として流行語大賞の表彰式にも登壇した大井智保子さん(35)に思いの丈を聞いた。

 「何でカープの試合を見れんのじゃ!」。ホームシックならぬ“カープシック”にかかったことが、大井さんの球団への愛を目覚めさせた。幼い頃は、父親にテレビのチャンネル権を握られて仕方なくナイターを見ていたが、中学生の時に球場に足を運ぶようになったのがきっかけでファンに。その後、大学入学のために上京すると、広島戦の中継がほぼないことに驚いた。

 「現在のようにCS放送などで試合が見られるような時代ではないし、夜のスポーツニュースでもほとんど試合の様子が流れないことに衝撃を受けたんです」。そこから、都内近郊で開催される広島のビジターゲームはスタジアムで観戦するようになった。

 同時に、読者モデルとしても活動していた大井さんはファンを増やすための“布教活動”を始める。「応援が盛り上がれば、人気が出る。人気が出れば、注目が集まるようになる。そうすれば、テレビで見られる機会が増えるに違いない―というのが理由でした」。チームが勝った時にはモデル仲間などに頼んでユニホームを着てもらい、自身のブログに写真を載せて「私たちもカープを応援しています!」と呼び掛けた。

 その成果もあり、「カワイイ女の子たちに球場で会いたい」という若い男性ファンが増え始めたが、同時に女性からも声がかかり始めたという。「『今まで恥ずかしくてカープファンと言えなかった』という子からも連絡をもらったりして。盛り上がりが広がっていったんです」

 それだけに、「カープ女子」代表として流行語大賞の表彰式に呼ばれた時には「ついにここまで来たか!」と感慨深かったという。「今、カープが好きというと『ミーハーだね』と言われることもあるし、人気が出たことでチケットが取りにくくなったことは、自分自身を苦しめる結果になったかもしれません(笑い)。それでもいいんです」。今年もかなわなかった1984年以来の日本一を夢見て、今後も応援を続けていくつもりだ。

 ◆大井 智保子(おおい・ちほこ)1983年5月15日、広島県江田島市出身。35歳。成城大学1年の時に読者モデルとなり、ファッション誌「CanCam」「JJ」「With」などに登場。「カープ女子神3」としても芸能活動を行う。最初に好きになったのは栗原健太内野手(現・楽天打撃コーチ)。来年期待をかける選手は藤井皓哉投手。

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